食品表示法

食品表示法

第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、食品に関する表示が食品を摂取する際の安全性の確保及び自主的かつ合理的な食品の選択の機会の確保に関し重要な役割を果たしていることに鑑み、販売(不特定又は多数の者に対する販売以外の譲渡を含む。以下同じ。)の用に供する食品に関する表示について、基準の策定その他の必要な事項を定めることにより、その適正を確保し、もって一般消費者の利益の増進を図るとともに、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)、健康増進法(平成十四年法律第百三号)及び日本農林規格等に関する法律(昭和二十五年法律第百七十五号)による措置と相まって、国民の健康の保護及び増進並びに食品の生産及び流通の円滑化並びに消費者の需要に即した食品の生産の振興に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「食品」とは、全ての飲食物(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第二条第一項に規定する医薬品、同条第二項に規定する医薬部外品及び同条第九項に規定する再生医療等製品を除き、食品衛生法第四条第二項に規定する添加物(第四条第一項第一号及び第十一条において単に「添加物」という。)を含む。)をいう。
2 この法律において「酒類」とは、酒税法(昭和二十八年法律第六号)第二条第一項に規定する酒類をいう。
3 この法律において「食品関連事業者等」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。
一 食品の製造、加工(調整及び選別を含む。)若しくは輸入を業とする者(当該食品の販売をしない者を除く。)又は食品の販売を業とする者(以下「食品関連事業者」という。)
二 前号に掲げる者のほか、食品の販売をする者
(基本理念)
第三条 販売の用に供する食品に関する表示の適正を確保するための施策は、消費者基本法(昭和四十三年法律第七十八号)第二条第一項に規定する消費者政策の一環として、消費者の安全及び自主的かつ合理的な選択の機会が確保され、並びに消費者に対し必要な情報が提供されることが消費者の権利であることを尊重するとともに、消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができるよう消費者の自立を支援することを基本として講ぜられなければならない。
2 販売の用に供する食品に関する表示の適正を確保するための施策は、食品の生産、取引又は消費の現況及び将来の見通しを踏まえ、かつ、小規模の食品関連事業者の事業活動に及ぼす影響及び食品関連事業者間の公正な競争の確保に配慮して講ぜられなければならない。
第二章 食品表示基準
(食品表示基準の策定等)
第四条 内閣総理大臣は、内閣府令で、食品及び食品関連事業者等の区分ごとに、次に掲げる事項のうち当該区分に属する食品を消費者が安全に摂取し、及び自主的かつ合理的に選択するために必要と認められる事項を内容とする販売の用に供する食品に関する表示の基準を定めなければならない。
一 名称、アレルゲン(食物アレルギーの原因となる物質をいう。第六条第八項及び第十一条において同じ。)、保存の方法、消費期限(食品を摂取する際の安全性の判断に資する期限をいう。第六条第八項及び第十一条において同じ。)、原材料、添加物、栄養成分の量及び熱量、原産地その他食品関連事業者等が食品の販売をする際に表示されるべき事項
二 表示の方法その他前号に掲げる事項を表示する際に食品関連事業者等が遵守すべき事項
2 内閣総理大臣は、前項の規定により販売の用に供する食品に関する表示の基準を定めようとするときは、あらかじめ、厚生労働大臣、農林水産大臣及び財務大臣に協議するとともに、消費者委員会の意見を聴かなければならない。
3 厚生労働大臣は、第一項の規定により販売の用に供する食品に関する表示の基準が定められることにより、国民の健康の保護又は増進が図られると認めるときは、内閣総理大臣に対し、当該基準の案を添えて、その策定を要請することができる。
4 農林水産大臣は、第一項の規定により販売の用に供する食品に関する表示の基準が定められることにより、当該基準に係る食品(酒類を除く。)の生産若しくは流通の円滑化又は消費者の需要に即した当該食品の生産の振興が図られると認めるときは、内閣総理大臣に対し、当該基準の案を添えて、その策定を要請することができる。
5 財務大臣は、第一項の規定により販売の用に供する食品に関する表示の基準が定められることにより、当該基準に係る酒類の生産若しくは流通の円滑化又は消費者の需要に即した当該酒類の生産の振興が図られると認めるときは、内閣総理大臣に対し、当該基準の案を添えて、その策定を要請することができる。
6 第二項から前項までの規定は、第一項の規定により定められた販売の用に供する食品に関する表示の基準(以下「食品表示基準」という。)の変更について準用する。
(食品表示基準の遵守)
第五条 食品関連事業者等は、食品表示基準に従った表示がされていない食品の販売をしてはならない。

食品表示基準

食品表示基準

食品表示法(平成二十五年法律第七十号)第四条第一項の規定に基づき、食品表示基準を次のように定める。
目次
第一章 総則(第一条・第二条)
第二章 加工食品
第一節 食品関連事業者に係る基準
第一款 一般用加工食品(第三条―第九条)
第二款 業務用加工食品(第十条―第十四条)
第二節 食品関連事業者以外の販売者に係る基準(第十五条―第十七条)
第三章 生鮮食品
第一節 食品関連事業者に係る基準
第一款 一般用生鮮食品(第十八条―第二十三条)
第二款 業務用生鮮食品(第二十四条―第二十八条)
第二節 食品関連事業者以外の販売者に係る基準(第二十九条―第三十一条)
第四章 添加物
第一節 食品関連事業者に係る基準(第三十二条―第三十六条)
第二節 食品関連事業者以外の販売者に係る基準(第三十七条―第三十九条)
第五章 雑則(第四十条・第四十一条)
附則
第一章 総則
(適用範囲)
第一条 この府令は、食品関連事業者等が、加工食品、生鮮食品又は添加物を販売する場合について適用する。ただし、加工食品又は生鮮食品を設備を設けて飲食させる場合には、第四十条の規定を除き、適用しない。
(定義)
第二条 この府令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 加工食品 製造又は加工された食品として別表第一に掲げるものをいう。
二 生鮮食品 加工食品及び添加物以外の食品として別表第二に掲げるものをいう。
三 業務用加工食品 加工食品のうち、消費者に販売される形態となっているもの以外のものをいう。
四 業務用生鮮食品 生鮮食品のうち、加工食品の原材料となるものをいう。
五 業務用添加物 添加物のうち、消費者に販売される形態となっているもの以外のものをいう。
六 容器包装 食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号)第四条第五項に規定する容器包装をいう。
七 消費期限 定められた方法により保存した場合において、腐敗、変敗その他の品質の劣化に伴い安全性を欠くこととなるおそれがないと認められる期限を示す年月日をいう。
八 賞味期限 定められた方法により保存した場合において、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日をいう。ただし、当該期限を超えた場合であっても、これらの品質が保持されていることがあるものとする。
九 特定保健用食品 健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令(平成二十一年内閣府令第五十七号)第二条第一項第五号に規定する食品(容器包装に入れられたものに限る。)をいう。
十 機能性表示食品 疾病に罹患していない者(未成年者、妊産婦(妊娠を計画している者を含む。)及び授乳婦を除く。)に対し、機能性関与成分によって健康の維持及び増進に資する特定の保健の目的(疾病リスクの低減に係るものを除く。)が期待できる旨を科学的根拠に基づいて容器包装に表示をする食品(健康増進法(平成十四年法律第百三号)第四十三条第一項の規定に基づく許可又は同法第六十三条第一項の規定に基づく承認を受け、特別の用途に適する旨の表示をする食品(以下「特別用途食品」という。)、栄養機能食品、アルコールを含有する飲料及び国民の栄養摂取の状況からみてその過剰な摂取が国民の健康の保持増進に影響を与えているものとして健康増進法施行規則(平成十五年厚生労働省令第八十六号)第十一条第二項で定める栄養素の過剰な摂取につながる食品を除く。)であって、当該食品に関する表示の内容、食品関連事業者名及び連絡先等の食品関連事業者に関する基本情報、安全性及び機能性の根拠に関する情報、生産・製造及び品質の管理に関する情報、健康被害の情報収集体制その他必要な事項を販売日の六十日前までに消費者庁長官に届け出たものをいう。
十一 栄養機能食品 食生活において別表第十一の第一欄に掲げる栄養成分(ただし、錠剤、カプセル剤等の形状の加工食品にあっては、カリウムを除く。)の補給を目的として摂取をする者に対し、当該栄養成分を含むものとしてこの府令に従い当該栄養成分の機能の表示をする食品(特別用途食品及び添加物を除き、容器包装に入れられたものに限る。)をいう。
十二 栄養素等表示基準値 国民の健康の維持増進等を図るために示されている性別及び年齢階級別の栄養成分の摂取量の基準を性及び年齢階級(十八歳以上に限る。)ごとの人口により加重平均した値であって別表第十の上欄の区分に応じそれぞれ同表の下欄に掲げる値をいう。
十三 組換えDNA技術 酵素等を用いた切断及び再結合の操作によって、DNAをつなぎ合わせた組換えDNAを作製し、それを生細胞に移入し、かつ、増殖させる技術をいう。
十四 対象農産物 組換えDNA技術を用いて生産された農産物の属する作目であって別表第十六に掲げるものをいう。
十五 遺伝子組換え農産物 対象農産物のうち組換えDNA技術を用いて生産されたものをいう。
十六 非遺伝子組換え農産物 対象農産物のうち遺伝子組換え農産物でないものをいう。
十七 特定遺伝子組換え農産物 対象農産物のうち組換えDNA技術を用いて生産されたことにより、組成、栄養価等が通常の農産物と著しく異なるものをいう。
十八 非特定遺伝子組換え農産物 対象農産物のうち特定遺伝子組換え農産物でないものをいう。
十九 分別生産流通管理 遺伝子組換え農産物及び非遺伝子組換え農産物を生産、流通及び加工の各段階で善良なる管理者の注意をもって分別管理すること(その旨が書類により証明されたものに限る。)をいう。
二十 特定分別生産流通管理 特定遺伝子組換え農産物及び非特定遺伝子組換え農産物を生産、流通及び加工の各段階で善良なる管理者の注意をもって分別管理すること(その旨が書類により証明されたものに限る。)をいう。
2 前項各号に定めるもののほか、この府令において、別表第三の上欄に掲げる食品に係る同表の中欄に掲げる用語の意義は、それぞれ同表の下欄に定めるところによる。
3 前二項に定めるもののほか、この府令において使用する乳及び乳製品並びにこれらを主要原料とする食品の用語は、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和二十六年厚生省令第五十二号。以下「乳等省令」という。)において使用する用語の例による。

投稿者プロフィール

赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)