食品製造事業者は必ず食品賠償保険に加入しましょう。以前、私が講師をした創業セミナーの法務の話で、保険に加入していなかった飲食店が参加していて、あわてて、セミナーの後に加入したということもありました。

事件の概要

  • 2016年10月に山梨県内のスーパーで販売されたツナの缶詰にゴキブリの混入が発覚
  • 静岡市のはごろもフーズが販売し、下請け事業者が製造
  • 緊急対応コールセンターの設置費用や返品されたツナ缶の廃棄が生じ、報道された影響で家庭用シーチキンの売上高が想定より激減したなどとして、はごろもフーズが2017年11月に損害賠償など約8億9700万円の支払いを求め訴訟
  • 静岡地裁の判決で、下請け事業者に1億3100万円余りの支払いを命じた
  • 下請け事業者は「事故が発覚した後、製造契約を打ち切られ、事業が廃止している状況の中、さらに1億円を超える支払いを命じられることはあまりにも酷だ」として控訴する方針
  • 【続報】2022/11/17 下請事業者は判決を不服として控訴

コメント(課題・問題点・防止策等)

  • 事件当初は、製造過程で混入したとして消費者に謝罪したが、公表や自主回収はしなかった。その後、メディアで報道され、公表するとともに自主回収した。
  • このような対応が消費者からの批判を招き大きく炎上したという経緯があります(当時焼きそばの虫混入の事件への対応と比較されました)。
  • 下請けで製造された食品の混入責任は下請け事業者にありますが、損害賠償については、下請事業者と元請け事業者との民民の関係にあります。
  • 「製造契約を打ち切られ、事業が廃止」というのは下請事業者のリスクになります。下記に紹介しているデイリー新潮の記事のようなリスクが常にあります。※食品表示制度の改正で製造者が表示されるようになったので、それを追い風ととらえて、下請事業者は自社ブランドの製品を立ち上げるという事業展開があることを当時のセミナー等で話をしていました。
  • また、疑問なのは下請けは当然PL保険等に入っていると思うので、その対応も気になります。まさか保険に入っていない方っということはないでしょうし。
  • 控訴するとのことなので、続報があれば報告します。
  • 食品製造事業者は必ず食品賠償保険に加入しましょう。以前、私が講師をした創業セミナーの法務の話で、保険に加入していなかった飲食店が参加していて、あわてて、セミナーの後に加入したということもありました。

【参考】2016年当時のニュース

ニュース記事の紹介

※下記に紹介している記事や動画は時間の経過とともに削除される場合がありますのでご了承ください。また、新しいニュースがあれば追加します。

【静岡朝日テレビ】ツナ缶に虫が混入… はごろもフーズの下請け業者に1億3000万円の賠償命令 静岡地裁

ツナ缶に虫が混入… はごろもフーズの下請け業者に1億3000万円の賠償命令 静岡地裁
2022-11-09

ツナ缶に虫が混入し売上が減少したなどとして、はごろもフーズが下請け業者に損害賠償を求めていた裁判で、静岡地裁は8日下請け業者に1億3000万円余りの支払いを命じました。

 訴状などによりますと、2016年静岡市のはごろもフーズが販売したツナ缶1個にゴキブリとみられる虫が混入していました。はごろもフーズは下請け業者の「興津食品」が製造する際に虫が混入したと主張し、一連の報道でブランドイメージが損なわれ売上が減少したなどとして、興津食品に対しておよそ8億9700万円の損害賠償を求めていました。

 8日の判決で静岡地裁の菊池絵里裁判長は、興津食品に1億3100万円余りの支払いを命じました。
2022-11-09

https://look.satv.co.jp/_ct/17583522

【静岡新聞】ツナ缶に虫混入 下請けに1億3千万円賠償命令 静岡地裁判決 2022年11月9日(水)

ツナ缶に虫混入 下請けに1億3千万円賠償命令 静岡地裁判決

 製造依頼したツナ缶にゴキブリとみられる虫が混入し、ブランドイメージが損なわれたとして、はごろもフーズ(静岡市駿河区)が下請けの興津食品(同市清水区)に損害賠償など約8億9700万円の支払いを求めた訴訟の判決で、静岡地裁(菊池絵理裁判長)は8日、興津食品に約1億3150万円の支払いを命じた。興津食品は控訴する方針。

 2016年10月、興津食品が製造し、山梨県内のスーパーで販売されたツナ缶の一つにゴキブリのような虫の混入が発覚。緊急対応コールセンターの設置費用や返品されたツナ缶の廃棄が生じ、報道された影響で家庭用シーチキンの売上高が想定より激減したなどとして、はごろもフーズが17年11月に提訴していた。
 判決を受け、興津食品の代理人は取材に「納得できる結果ではない」と批判した。「偶発的な混入事故が他でも起きているのに、なぜ興津食品だけが1億円を超えるペナルティーを支払わなくてはいけないのか。事業を廃止しろと言っているのに等しい」と述べた。
 はごろもフーズは「コメントできない」とした。

https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1147937.html

【NHK静岡 NEWS WEB】ツナ缶に虫混入めぐり はごろもフーズ下請け会社に賠償命令 11月09日

静岡 NEWS WEB

ツナ缶に虫混入めぐり はごろもフーズ下請け会社に賠償命令

11月09日 12時37分

6年前スーパーで販売されていたツナの缶詰に虫が混入していた問題をめぐり、静岡市に本社がある食品加工大手のはごろもフーズが、製造した下請け会社を訴えた裁判で、静岡地方裁判所は下請け会社に対し1億3100万円あまりの賠償を命じました。

2016年に山梨県内のスーパーで販売されたツナの缶詰にゴキブリが混入していた問題をめぐり、静岡市に本社があるはごろもフーズは「ブランドのイメージが傷つけられ売上高が減少した」などと主張して、製造した静岡市の下請け会社、興津食品に対し8億9700万円あまりの賠償を求める訴えを起こしました。
これに対して興津食品は「下請けにすべての責任を負わせるのは不当だ」などと反論していました。
8日の判決で静岡地方裁判所の菊池絵理裁判長は興津食品に1億3100万円あまりの賠償を命じました。
判決についてはごろもフーズは「内容を精査している段階なのでコメントを控えたい」としています。
一方、興津食品は「事故が発覚した後、製造契約を打ち切られ、事業が廃止している状況の中、さらに1億円を超える支払いを命じられることはあまりにも酷だ」として控訴する方針を明らかにしました。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20221109/3030018228.html

【デイリー新潮】ツナ缶に「虫」混入で「1億円」賠償命令 50年来の「下請け業者」を破産危機に追い込む“注目判決”の知られざる裏側 2022年11月11日

【静岡朝日テレビ】缶詰に虫が混入…1億3000万円の支払い命じられた下請け業者が控訴 社長「下請け全体に影響を及ぼす問題」

缶詰に虫が混入…1億3000万円の支払い命じられた下請け業者が控訴 社長「下請け全体に影響を及ぼす問題」
2022-11-17
ニュース事件・事故
缶詰の中にゴキブリとみられる虫が混入していたとして、下請け業者に損害賠償が命じられた裁判で、被告の会社は会見で謝罪し、控訴したことを明らかにしました。

缶詰に虫が混入…1億3000万円の支払い命じられた下請け業者が控訴 社長「下請け全体に影響を及ぼす問題」
youtu.be

興津食品 池上浩司社長:
「ご迷惑をおかけしたことを、この場をおかりしてお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした」

 2016年、静岡市のはごろもフーズが販売したツナ缶1個に、ゴキブリとみられる虫が混入していました。

 はごろもフーズは、下請け業者の「興津食品」が製造する際に混入したと主張し、一連の報道でブランドイメージが損なわれ、売り上げが減少したなどとして、興津食品に対し、およそ8億9700万円の損害賠償を求めていました。

 8日の判決で静岡地裁は、興津食品に1億3000万円余りの支払いを命じました。

 この判決を受け興津食品は「偶発的な食品事故の賠償責任をどこまで負うべきなのか問いたい」として17日午前、東京高裁に控訴しました。

興津食品 池上浩司社長:
「この問題は弊社だけ、食品業だけに関わらず、大企業から発注を受けている下請け全体に影響を及ぼす問題だと私は考えています」

 はごろもフーズは取材に対して、「今の時点でのお答えは控えさせていただく」とコメントしています。

https://look.satv.co.jp/_ct/17585777

【テレビ静岡】1審は約1億3千万円の賠償命令 ツナ缶異物混入で下請け会社の責任はどこまで? 製造会社が控訴

1審は約1億3千万円の賠償命令 ツナ缶異物混入で下請け会社の責任はどこまで? 製造会社が控訴

2022年11月17日(木)
事件・事故

加工食品の大手メーカーのツナ缶に虫が混入していた問題で、静岡地裁は下請けの製造会社に約1億3000万円の損害賠償を命じる判決を言い渡しましたが、製造会社は判決を不服として、17日 控訴しました。

2016年、はごろもフーズが販売した「シーチキンLフレーク」に、虫が混入していたことが発覚しました。

はごろもフーズは返品やクレーム対応、それにブランドイメージの低下による売り上げの減少で損害があったと主張。

下請けでツナ缶を製造していた、静岡市清水区の興津食品に約8億9700万円の賠償を求める裁判を起こし、8日 静岡地裁は興津食品に対し約1億3100万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。

この判決を不服として、興津食品は17日 控訴しました。

興津食品・池上浩司 社長 「消費者の皆様に迷惑かけたことをお詫び申しあげます。誠に申し訳ございませんでした」

興津食品は会見を開き、謝罪した上で控訴の理由について「イメージダウンによる損害といった賠償額の内訳もあいまいで、納得のいくものではない」と主張しました。

興津食品弁護人・増田英行 弁護士 「1缶だけ虫が入ったシーチキンを作ってしまった。そのこと自体は興津食品に問題があります。でも異物混入以降の報道で生じた損害に対し請求をされても、その部分まで責任を負わなねばならないのかということについて、非常に疑問を感じております」

興津食品は、「クレーム対応など会社の危機管理の費用を下請け会社が負うことが公平か、もう一度裁判所に考え直してほしい」と訴えています。

はごろもフーズは判決後、「判決文を精査し、今後の対応を決めていきたい」とコメントしていました。

https://www.sut-tv.com/news/indiv/19101/

【静岡放送(SBS)】ツナ缶に虫混入 下請け製造会社が控訴 静岡地裁判決に不服

「対処費用まで押し付けるのは果たしていいのか」静岡の下請け会社が控訴 ツナ缶にムシ混入で1億3000万円支払い命令
国内
2022年11月17日(木) 19:54

製造させたツナ缶にゴキブリが混入し、ブランドイメージが傷ついたなどとして、販売元の「はごろもフーズ」(本社:静岡市)が損害賠償をもとめた裁判で、下請け会社が猛反発です。クレーム対応で増設した電話回線の設置費用などを押し付けるのは、不当だと主張しています。

会見を開いたのは、はごろもフーズの下請け会社として、ツナ缶を製造していた興津食品です。2016年、山梨県内のスーパーで販売された「シーチキンLフレーク」からゴキブリが見つかり、その後、下請け会社だった興津食品の製造過程で混入したことが判明。

はごろもフーズは、ブランドイメージの低下による売上げの減少やコールセンターの設置などに追われたとして、損害賠償を求めて訴訟を起こし、11月8日に静岡地裁が興津食品に対して、およそ1億3000万円の支払いを命じていました。興津食品はこれを不服として、17日控訴したことを明らかにしました。

<興津食品の代理人弁護士 増田英行弁護士>
「下請けを使うことで大きな利益を上げている会社が、事が一つ起こって、対処した費用を下請けに付け替える。それは果たしていいのか、分かってほしい」

興津食品は、はごろもフーズがクレーム対応で増設した電話回線の設置費用や売り上げの一部を損失補填するよう下請け会社に押し付けるのは不当だと主張しています。

一方、はごろもフーズは「係争中であり、コメントは差し控えさせていただきたい」としています。

<伊豆川洋輔記者>
「興津食品の製造工場や事務所があった場所は更地になっていて、撤去から時間の経過を感じます」

興津食品は、業務のほとんどがはごろもフーズからの受注であったため、製造が止まったことでほぼ廃業状態に。興津食品の代理人弁護士は、今回の訴訟について「偶発的に人体に影響のない食品に関する事故が起きた際、どこまで下請け企業の賠償が問われるのかを世に問いたい」としています。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/sbs/207068?display=1

【静岡新聞】ツナ缶に虫混入 下請け製造会社が控訴 静岡地裁判決に不服

ツナ缶に虫混入 下請け製造会社が控訴 静岡地裁判決に不服

 製造依頼したツナ缶にゴキブリとみられる虫が混入し、ブランドイメージが損なわれたとして、はごろもフーズ(静岡市駿河区)が興津食品(同市清水区)に損害賠償を求めた訴訟で、興津食品は17日、約1億3150万円の支払いを命じた静岡地裁判決を不服として東京高裁に控訴した。
 2016年10月、興津食品が製造し、山梨県内のスーパーで販売されたツナ缶の一つに、ゴキブリとみられる虫の混入が発覚。はごろもフーズは17年11月、約8億9700万円の支払いを求めて提訴した。8日の地裁判決は、緊急対応コールセンターの費用や逸失利益などを損害と認めた。
 県庁で記者会見した興津食品の池上浩司社長や代理人弁護士によると、偶発的な異物混入事故は同社以外でも起きている。その際、はごろもフーズに対し下請け側が数万円程度のクレーム処理費用を支払うことで終わるのが通例だという。
 池上社長は「大企業の利益を弊社が補塡(ほてん)しなくてはいけないということが納得できない。下請け全体に影響を及ぼす先例を作ってはいけない」と控訴した理由を説明した。

https://www.at-s.com/news/article/shizuoka/1152256.html

【NHK静岡 NEWS WEB】ツナ缶虫混入で賠償命令 下請け会社が判決を不服として控訴 11月17日

静岡 NEWS WEB

ツナ缶虫混入で賠償命令 下請け会社が判決を不服として控訴

11月17日 18時34分

スーパーで販売されていたツナの缶詰に虫が混入していた問題をめぐり、静岡市に本社がある食品加工大手の「はごろもフーズ」が、製造した下請け会社を訴えた裁判で、下請け会社は、1億3100万円あまりの賠償を命じられた判決を不服として、きょう控訴しました。
2016年に、山梨県内のスーパーで販売されたツナの缶詰にゴキブリが混入していた問題をめぐり、静岡市に本社があるはごろもフーズは、「ブランドのイメージが傷つけられ売上高が減少した」などと主張して、製造した静岡市の下請け会社「興津食品」に対し、賠償を求める訴えを起こしました。
今月(11月)8日、静岡地方裁判所は、興津食品の責任を認め、1億3100万円あまりの賠償を命じる判決を言い渡しました。
これについて興津食品の池上浩司社長は代理人の弁護士とともに会見を開き、判決を不服として、きょう東京高等裁判所に控訴したことを明らかにしました。
弁護士によりますと、賠償を命じられた金額には、問題が起きなければはごろもフーズが得られたと見込まれる「逸失利益」や、緊急対応のコールセンターを委託した費用などが含まれているということです。
池上社長は「大企業の利益を下請けが補てんしなければならないというのはどうしても納得できない。大企業から発注を受けている下請け会社全体に影響を及ぼす問題だと考え、控訴を決断した」と話していました。
一方、はごろもフーズは「係争中の案件なのでコメントは差し控える」としています。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20221117/3030018314.html

投稿者プロフィール

赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)
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