事件の概要

  • 給食に出された牛乳パックから金属製のワッシャー(直径約3センチ)2個が混入
  • 児童がストローで牛乳を全部飲み終わった後、牛乳パックをつぶそうとして、カラカラという音で混入に気づいた
  • 牛乳をパックに充填する機械を点検した際に外したワッシャーを機械の上に置いたまま戻し忘れ、それが牛乳パックの中に落ちた
  • 牛乳は7つの小中学校に納入
  • この施設では金属探知機が導入されていなかった
  • 市は、金属探知機の導入と改善報告書の提出を求めており、それまでは他社の牛乳に変更するとのこと

コメント(課題・問題点・防止策等)

  • 異物混入の事故防止は、製造段階での発見が重要であるが、「飲食する前の発見」という最終防衛ラインがあります。
  • ビンの牛乳では外から事前に異物が発見され、児童の口に入らずに済んだということがあります。
  • しかし、今回は、残念ながら、全部飲み終わった後、パックをつぶそうとしたときに「カタカタ」という音で児童が気づくことになった。
  • 充填済みの牛乳パックについては、製造ラインの最終工程でパック済みの牛乳を「金属探知機」で確認することが重要であり、そこそこの規模の工場であれば実施しているはず。これはHACCPでも重要管理点(CCP)となります。
  • 大規模な工場になると管理が行き届いていますが、小さな工場になると、人手的・設備的に薄くなることがあります。
  • また、従業員が少ない小規模な施設だとHACCPについても、HACCPに基づく衛生管理ではなく、HACCPに準じた衛生管理の場合もあります(2021年6月1日から施行された改正食品衛生法)。
  • こういう事件を起こしてしまったからには、再度取引をする条件としての再発防止策としては、金属探知機の導入になります。
  • ちなみに、この施設では金属探知機が導入されていなかったようです(もし導入済みであれば機能していなかったという別の問題があります)。
  • 地元の小さな牛乳工場なので、大切に守っていきたいとは思います(ホームページよると従業員22人)。
  • 付け加えると、食品の製造業者はホームページで衛生管理をきちんとしていることをお知らせしていることが多いのですが、この会社のホームページでは、書かれていなかったので、これからの時代、しっかりアピールしていくほうがいいと思います。
  • 納入事業者にHACCPの導入を求めることが、中小メーカーの負担になるという声も聞きますが、このような事故が発生するのだから、HACCPと同様の衛生管理を導入することが、安全・安心への危機管理だと思います。バランスよく導入してほしいと思います。

牛乳パックに混入していた金属製のワッシャー2個

中日新聞の画像(富山県射水市教育委員会から提供)を一部トリミングして引用

ニュース記事の紹介

※下記に紹介している記事や動画は時間の経過とともに削除される場合がありますのでご了承ください。また、新しいニュースがあれば追加します。

【富山テレビ】小学生が飲み終わった給食の牛乳パック内から「カタカタ」と音…金属製部品2個見つかる 点検で外し混入か 2021年9月16日 

小学生が飲み終わった給食の牛乳パック内から「カタカタ」と音…金属製部品2個見つかる 点検で外し混入か
富山テレビ
地域
2021年9月16日 木曜 午前11:30

15日、射水市の小学校で給食として出された牛乳から金属製の異物が見つかりました。

射水市教育委員会は、15日、小杉小学校で給食に出された牛乳から金属製で直径およそ3センチのワッシャー2個が混入していたと発表しました。

児童が牛乳を飲み終えた後、牛乳パックの中からカタカタと音がするのに気づき、判明したということです。

この児童に、けがや体調不良はありません。

牛乳の納入業者は、とやまアルペン乳業で、ワッシャーは牛乳パックを閉じる機械につけられていた留め具で、14日、点検を行った際に外し、機械の上に置いたままになっていたため、パック内に落下し混入したとみられています。

射水市では、16日からとやまアルペン乳業が牛乳を納入している7つの小中学校について、金属探知機導入や業務改善計画書が提出されるまで、他社の牛乳を提供することにしました。

https://www.fnn.jp/articles/-/239898

【KNB北日本放送】牛乳パックにワッシャー 射水の小学校給食 2021年9月16日 

牛乳パックにワッシャー 射水の小学校給食
富山 2021.09.16 13:06

 射水市の小学校で、給食に出た牛乳を児童が飲み終えたパックから金属製のワッシャー2個が見つかりました。児童の体調に影響はないということです。

 射水市教育委員会によりますと15日、小杉小学校で給食のパック牛乳をストローで飲み終えた児童がパックをつぶす際、カタカタと音がしたため担任と中を確かめたところ、金属製のワッシャー2個が見つかりました。

 ワッシャーは直径3センチで、児童の体調に変化はないということです。

 牛乳を納入したのは富山市のとやまアルペン乳業で、14日に牛乳をパックに充填する機械を点検した際に外したワッシャーを機械の上に置いたまま戻し忘れ、それが牛乳パックの中に落ちたということです。

 射水市教委は当面、学校給食に他社の牛乳を提供します。

https://www.knb.ne.jp/nnn/news101tkcx089desgnh34z.html

【中日新聞】牛乳パックから金属部品2個 射水の学校給食 直径3センチ 製造過程で混入か 2021年9月16日 

牛乳パックから金属部品2個 射水の学校給食 直径3センチ 製造過程で混入か
2021年9月16日

 富山県射水市教委は十五日、小杉小学校の給食で出された牛乳パックの中に、ナットの緩みを防止する直径三センチ、厚さ一ミリの平ワッシャー(座金)が二個混入していたと発表した。児童が、この牛乳を飲んだ後に気付いて申し出た。同日午後の時点で体調の異変は確認されていないという。
 市教委によると、同日午後零時四十分ごろ、児童が二百ミリリットル入り牛乳パックをストローで飲んだ後、パックをつぶそうとしたところ中から「カタカタ」と音がし、中身を確認すると五百円玉サイズのワッシャーが二個見つかった。
 納入業者は、とやまアルペン乳業(富山市林崎)。同社は十四日、パックを製造する機械を解体して点検。再び組み立てた際、同じライン上にあった牛乳をパックに詰める機械の上に置いたワッシャーを戻し忘れた。その後、牛乳を入れる作業の振動で落下し、パックに混入したとみられる。
 同社は市内七小中学校に約三千個の牛乳を納入しているが、ほかに混入の報告はない。市教委は、同社が業務改善計画書を提出するまで納入を停止し、県内の別の業者から納入する。
 同社の樋口俊幸社長は、本紙の取材に「児童に本当に申し訳ない。従業員一同、再発防止に努め、危機意識を持って安全安心の牛乳を提供していきたい」と答えた。

https://www.chunichi.co.jp/article/330812

【北國新聞】牛乳パックに金属部品混入 2021/9/16

牛乳パックに金属部品混入
2021/9/16 05:00

 射水市教育委員会は15日、市立小で給食に出た牛乳パック1個に金属部品のワッシャー(直径3センチ)が2個混入していたと発表した。飲んだ児童にけがはなかった。市教委によると15日昼、ストローで飲んだ後、パックから音がしたため担任と中を確認、ワッシャーが見つかった。

 納入業者は、とやまアルペン乳業(富山市)。14日、牛乳を入れる機械を点検し、再び機械を組み立てる際、ワッシャー2個を戻し忘れた。ワッシャーは機械の上に置かれていたため落下し、混入したとみられる。

https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/526833

【毎日新聞】給食の牛乳に金属部品混入 紙製容器の中でカタカタと音 富山 2021/9/15

給食の牛乳に金属部品混入 紙製容器の中でカタカタと音 富山
毎日新聞 2021/9/15

 富山県射水市教委は15日、市立小杉小学校(同市戸破)で同日提供された給食の牛乳1個に直径3センチのステンレス製ワッシャー(座金)2個が混入したと発表した。健康被害は確認されていない。牛乳を納入した「とやまアルペン乳業」(富山市)の工場内で混入したとみられる。市教委は再発防止策を確認するまで、同社が市内の小中学校7校に納入する牛乳の提供を見合わせる。

 市教委によると、給食で牛乳を飲み終えた児童が、紙製容器の中でカタカタと音がするのに気付いて混入が判明した。

 ワッシャーは牛乳の製造過程で容器を閉じる機械に取り付けた円盤状の部品で、14日に工場で行われた機械点検の際に外したままだったという。機械の上にワッシャーを置いたまま牛乳を製造し、容器内に落ちたとみられる。市教委に対し、同社は工場に金属探知機を導入すると説明したという。

 県内では6月、富山市の別の業者が製造し、同市内の小中学校などで提供された牛乳を原因とする集団食中毒が発生。約1900人に腹痛などの被害が出た。

https://mainichi.jp/articles/20210915/k00/00m/040/254000c

【読売新聞】給食の牛乳パックに金具、直径3センチが2個…点検で外したものが落ちて混入か 2021/9/18

給食の牛乳パックに金具、直径3センチが2個…点検で外したものが落ちて混入か
2021/09/18 18:40

 富山県の射水市は15日、市立小杉小学校の同日の給食で提供された牛乳の紙パック1個に、金具のワッシャー(直径3センチ)が2個混入していたと発表した。児童にけがなどはなかった。
牛乳パックに混入していたワッシャー(射水市教委提供)

 市教育委員会によると、児童1人が牛乳を飲み終えた後、パックの中で異音がするため調べたところ、ワッシャーが見つかった。牛乳は「とやまアルペン乳業」(富山市)が納入。同社の調査などによると、機械の点検でワッシャーを外したが、組み立てる際に戻し忘れたという。ワッシャーは紙パックの 充填 機械の上に置かれていたため、落ちて混入したとみられる。

 同社は市内7小中学校で牛乳を提供。市は16日から、業務改善計画書が提出されるまで同社からの納入を停止する。その間は他社の牛乳を提供する。

投稿者プロフィール

赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)