事件の概要

  • スーパーマーケットバローの各店舗に商品配達をしている「アキタ株式会社」の契約冷凍冷蔵トラックの冷凍機が不調により冷却不足のまま、使用されていたことが判明
  • 故障していたのは240 台のうち3 台
  • 営業所の幹部が遅くとも今年4月には故障を把握していたが、修理せずに放置していたとのこと
  • 故障したトラックで食品が配送された店舗は、愛知・岐阜・長野の3県であわせて23店舗
  • 故障が疑われる期間は、2020年9月初旬 ~2021年9月28日
  • 想定される被害は、各店への配送時に商品の保存温度の逸脱による品質が劣化した商品の提供の可能性
  • 通常庫内温度0℃~5℃設定を基準とした運行だが、当該車輌は庫内温度が20℃近くまで上昇することがあった
  • 希望者への交換・返金対応
  • アキタ株式会社は、物流を担うバローグループの中部興産株式会社の委託先
  • 9月にバローに匿名の情報提供があったことで問題が発覚
  • 再発防止策(1)配送会社の温度記録の確認体制の構築(2)店舗側の商品受入時の温度確認・運用体制の強化

コメント(課題・問題点・防止策等)

  • 一般的に、流通過程や店頭で定められた保存温度が守られていないなら、食品の品質を保つことができているとはいえず、販売前なら廃棄対象に、また、販売されてしまった場合は回収対象になるはずのものです。今回のような不適切な保存温度管理は消費者への販売前の商品にあってはならないことです。
  • ただし、流通過程なので、なかなか気づきにくいかもしれませんが、1年間も同じ状態なら、受け取った生鮮品や冷凍品が冷えていない、溶けているなど、細かな変化に気づけたかもしれません。
  • 店舗での商品受取時に店舗担当者が気づいてもよかったかもしれませんね
  • 店舗としては陳列時の温度管理をしっかりやればいいということになりますが、今後は、手間はかかりますが、保存温度等を消商品受け取り時に相互確認する必要があるかもしれません。
  • 通常であれば契約解除にしてもおかしくない消費者を裏切る行為ですが、グループ会社のことなのでそういうわけにはいかないでしょうね
  • そして、現場のトラック運転手は十分にわかっていただろうから、上司に報告もしているだろうし、その上で1年間放置しているとしたら、組織ぐるみの不祥事の可能性もあります。実際に営業所の幹部が遅くとも今年4月には故障を把握していたが、修理せずに放置していたとの報道もある。
  • さらに「匿名の情報提供」であれば、運送会社の社員による通報の可能性もあります。そうだとすれば、重い話になってきます。
  • HACCPの考えからすると、商品の流通過程での温度管理と記録は重要なポイントになってきます。

スーパーマーケットバローの公表資料

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ニュースリリース一覧
2021.10.4「弊社店舗への商品納品トラックの冷凍機故障」についてのお詫びとご報告 (PDF)

https://valor.jp/news/

2021.10.4「弊社店舗への商品納品トラックの冷凍機故障」についてのお詫びとご報告 (PDF)

2021年10月4日
各位
株式会社バロー

「弊社店舗への商品納品トラックの冷凍機故障」についてのお詫びとご報告

 平素はスーパーマーケットバロー各店をご利用いただき、誠にありがとうございます。
 標記の件、弊社店舗への商品配達をしている「アキタ株式会社」の契約冷凍冷蔵トラック240 台のうち、3 台の冷凍機が不調により冷却不足のまま、使用されていたことが判明いたしました。弊社認識の後、配送会社には該当車両の使用を即時に停止するよう指示を行い、影響範囲等について特定をいたしております。尚、本年6 月より店舗納品時に品質異常の可能性がある場合には、店舗責任者は放射温度計で温度を測定、確認する運用を導入しており、現時点においては、お客様からの品質に関するご相談等のご連絡はいただいておりません。
 お客様にはご心配とご迷惑をおかけしましたことを、お詫び申し上げます。今後は、再発防止に向け、一層の品質管理体制の強化に努める所存でございます。何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 本件の詳細について以下ご報告いたします。 

1.故障トラックと故障内容について
アキタ株式会社で使用している3台の冷凍冷蔵トラックの冷凍機不調により冷却不足のまま、弊社店舗への納品に使用されていました。
配送トラックは、通常庫内温度0℃~5℃設定を基準とし運行いたしますが、当該車輌は庫内温度が20℃近くまで上昇することがありました。
※アキタ株式会社は、弊社の物流を担うバローグループの中部興産株式会社の委託先となります。
2.故障が疑われる期間
2020年9月初旬 ~ 2021年9月28日(該当冷凍機の直近保守点検日を開始日としております)
3.対象商品
要冷蔵・冷凍商品全般
4.想定される被害
各店への配送時に商品の保存温度の逸脱により、品質が劣化した商品が提供された可能性があります。
5.配送店舗
愛知県:12店舗、岐阜県:9店舗、長野県:2店舗 計 23店舗 (別紙参照)
6.再発防止策
(1)配送会社の温度記録の確認体制の構築
(2)店舗側の商品受入時の温度確認・運用体制の強化
別紙配送対象店舗をご利用のお客様におかれましては、品質劣化等のご心配がございましたら商品のご交換、ご返金をさせていただきますので、誠にお手数ではございますがバローお客様相談室または店舗のサービスカウンターまでお申し付けくださいませ。
[電話でのお問い合わせ先]
お客様相談室フリーダイヤル 0120-81-3786 またはご購入の各店舗
(お電話・メール受付時間 月~金曜日 午前9時~午後5時、1月1日~1月3日を除く)
以上

https://valor.jp/wp/wp-content/uploads/2021/10/a9f819b965e6b7cd361e97ead423327e.pdf

アキタ株式会社の公表資料

愛知県・岐阜県・長野県のスーパーマーケットバロー様への商品納品トラックの冷凍機不調による冷却不足についてのお詫びとご報告
2021年10月4日

愛知県・岐阜県・長野県のスーパーマーケットバロー様への商品納品トラックの冷凍機不調による冷却不足についてのお詫びとご報告
2021年10月4日
アキタ株式会社

 弊社はご委託を受け、スーパーマーケットバロー各店舗様への冷凍冷蔵トラックによる商品納品を行なっております。9月28日、その中に冷凍機の不調により冷却不足の状態で使用された可能性のある車両があることが判明致しました。直ちに冷凍冷蔵車を運行している全ての営業所の全車両を緊急点検したところ、弊社可児営業所の所属車両3台の冷凍機不調が確認されました。 通常庫内温度0℃~5℃設定を基準とし運行致しますが、当該車輌は庫内温度が20℃近くまで上昇することがありました。
 弊社では即時、当該車両の使用を停止し、冷却不足の状態で使用されていた可能性がある期間とその配送店舗を調査致しましたところ、以下の通り最長1年1ヶ月間、愛知県・岐阜県・長野県の計23店舗への納品に使用された可能性があることが判明致しました。
 『スーパーマーケットバロー』をご利用のお客様、並びにスーパーマーケットバロー様、関係者の皆様方にご心配と多大なるご迷惑をお掛けしたことを深くお詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした。
 弊社では9月30日に取締役会を開催し、社長を本部長とし常勤役員、担当マネージャー、課長で構成し、ナゴヤ法律経営事務所をアドバイザーとする「冷凍冷蔵輸送品質改革室」を設置致しました。全営業所での温度管理状況の詳細調査を実施し原因究明を行うとともに、温度管理ルールの見直し、品質管理に必要な設備・資材、人員の拡充、及びルールの運用徹底に全社を挙げて取り組んで参ります。
 二度とこのような事態を起こさぬよう、信頼の回復に全力で努めて参ります。この度は誠に申し訳ございませんでした。

期 間
● 当該車両1:2020年9月頃〜2021年9月28日(1年1ヶ月)
● 当該車両2:2020年9月頃〜2021年9月28日(1年1ヶ月)
● 当該車両3:2021年4月頃〜2021年9月28日(6ヶ月)
配送店舗 愛知県12店舗、岐阜県 9店舗、長野県 2店舗
計 23店舗
■本件に関するお問い合わせ窓口 
TEL. 052-589-9917(代) 総務部・広報担当

http://akita-inc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/10/20211004.pdf

ニュース記事の紹介

※下記に紹介している記事や動画は時間の経過とともに削除される場合がありますのでご了承ください。また、新しいニュースがあれば追加します。

【東海テレビ】委託先が修理せず放置…スーパー『バロー』冷却機能壊れたトラックで生鮮・冷凍食品を店舗に約1年間配送 2021年10月5日

※リンク先にニュース動画あり

委託先が修理せず放置…スーパー『バロー』冷却機能壊れたトラックで生鮮・冷凍食品を店舗に約1年間配送
10月05日

 東海地方を中心にスーパーを展開する「バロー」が、冷却機能が壊れたトラックで生鮮食品などを配送していたことを明らかにしました。

 冷却機能が壊れていたのは、バローが配送業務を委託する運送会社「アキタ」のトラック3台で、最長で去年9月から今年9月までの約1年間にわたり、肉や魚などの生鮮食品や冷凍食品を店舗に配送していたということです。

 9月にバローに匿名の情報提供があったことで問題が発覚し、故障したトラックで食品が配送された店舗は、愛知・岐阜・長野の3県であわせて23店舗にのぼるということです。

 故障したトラックは、荷室の温度が20度近くまで上昇することもありましたが、これまでに客から健康被害などの情報は寄せられていないということです。

 問題のトラックを使用していた「アキタ」の営業所は、今年4月に故障を把握していましたが、修理せずに放置していました。

【岐阜新聞】冷凍機故障トラックでスーパー「バロー」に商品配送 庫内20度近く上昇も 2021年10月05日

冷凍機故障トラックでスーパー「バロー」に商品配送 庫内20度近く上昇も
2021年10月05日

 スーパーを展開するバロー(岐阜県多治見市)は5日までに、冷凍機の故障で冷却機能が低下したトラック3台が、冷蔵・冷凍商品の配送に使われていたと発表した。故障の期間は最長で昨年9月初旬から今年9月下旬までの約1年1カ月とみられ、配送先は県内の9店舗を含め東海3県の23店舗。配送を委託するアキタ(名古屋市)に車両の使用停止を指示し、影響を調べている。

 バローによると、通常は庫内の温度を0~5度に設定しているが、故障した3台は20度近くまで上昇することもあった。再発防止策として、配送会社の温度記録の確認を徹底するとともに、商品受け入れ時の確認体制の強化を図る。

 バローは配送先店舗の利用客を対象に、商品の劣化などが心配な場合は交換や返金に応じる。問い合わせはお客様相談室、フリーダイヤル(0120)813786。

 岐阜県内の配送先店舗は次の通り。

 富加店、関ひがし店、関緑ケ丘店、瑞浪店、多治見店、多治見南店、笠原下石店、南土岐店、美濃加茂店

【朝日新聞】野菜やアイス、冷蔵室故障のトラックで配送 スーパー「バロー」に 2021年10月5日

野菜やアイス、冷蔵室故障のトラックで配送 スーパー「バロー」に
2021年10月5日

 東海地方を中心にスーパーを展開するバロー(岐阜県多治見市)の計23店舗に、荷室の冷却機能が故障したトラックで生鮮食品などが配送されていたことがわかった。通常なら荷室の温度は0~5度なのに、最高で20度近くに上がることもあった。故障していた期間は最長で今年9月末までの1年1カ月とみられる。店舗の利用客から品質の不良や健康被害などの情報は寄せられていないという。

 故障は、運送会社のアキタ(名古屋市中村区)がバローへの配達で使っていたトラック240台のうち、可児営業所(岐阜県可児市)の3台で見つかった。9月下旬に匿名の情報提供を受けたバローが調査して問題が判明し、4日に自社サイトで公表した。

 配送先は愛知県内の12店舗、岐阜県内の9店舗、長野県内の2店舗。野菜や肉のほか、冷凍食品、弁当、アイスクリームなどを運んでいた。

 アキタによると、営業所の幹部が遅くとも今年4月には故障を把握していたが、修理せずに放置していたという。原田謙治社長は朝日新聞の取材に「食品を扱う会社としてあってはならないこと。誠に申し訳ありません」と謝罪した。

 バローはアキタに再発防止を求めるほか、品物の搬入時に温度の確認を強化するという。

 バローは、この問題による商品の劣化などが心配な利用客には、レシートがあれば交換や返金に応じる。問い合わせはバローお客様相談室(0120・81・3786)か、商品を購入した各店舗へ。

    ◇

 対象店舗は以下の通り。

 【愛知県】春日井西、瀬戸西、品野、上野台、城山、浄水、志段味、新守山、中志段味、高辻、瑞穂、鳴海【岐阜県】富加、関ひがし、関緑ケ丘、瑞浪、多治見、多治見南、笠原下石、南土岐、美濃加茂【長野県】松尾、飯田

https://www.asahi.com/articles/ASPB45PXNPB4OIPE00P.html

投稿者プロフィール

赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)