事件の概要
- LINEを通じて個人から購入したダイエット用健康食品で健康被害
- 検査した結果、医薬品成分のシブトラミンが検出
- シブトラミンは国内で医薬品としては承認されていない
- ベトナムで製造され、インターネット上では個人や輸入業者が「やせる」とうたい販売している
コメント(課題・問題点・防止策等)
- 15年ぐらい前に、個人輸入でやせ薬を買い健康被害が多発して社会問題になった時期がありました
- 当時、消費生活センターに勤務していましたが、相談件数等を厚生労働省に報告するための定期的に報告書を書いてました
- やせ薬に限らず、この種のものは、人間の楽をしたいという欲望がある限り、なくなりません
- 最近は、SNSなど、責任所在や出所が良くわからないものもあったり、えたいのしれない海外製の健康食品を摂取するというのはすごく怖いと思います
西宮市 公表資料 医薬品成分を含有する製品の発見について 2022年6月7日
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医薬品成分を含有する製品の発見について
更新日:2022年6月7日ページ番号:46521125
概要
令和4年4月14日(木)、SNSを通じて購入したダイエット用健康食品を摂取した市民から健康被害の届出があったため、当該製品を検査した結果、医薬品成分のシブトラミンが検出されました。
この製品を摂取すると健康被害が起こるおそれがあるため、摂取している方は直ちに摂取を中止し、健康被害が疑われる場合には速やかに医療機関を受診するとともに、西宮市在住の方は西宮市保健所にご連絡ください。なお、西宮市外在住の方はお住まいの居住地を所管する保健所へご相談ください。
市民の皆様は、購入や摂取をしないよう注意してください。健康被害が疑われる製品の概要
製品名
Detoxeret ゼリー(セロリと海藻の風味)
Detoxeret ゼリー(ブラックカカオ蜂蜜風味)
形状
ゼリー状(別添写真のとおり)(PDF:275KB)検出された医薬品成分
シブトラミン(1袋中に21.9mg検出)
シブトラミン(1袋中に23.7mg検出)
市の対応
当該製品の販売者を所管する福岡市へ通報し、対応を依頼しました。注意喚起
https://www.nishi.or.jp/kenko/hokenjojoho/iji/iyakuhinseibunn.html
この製品を摂取すると健康被害が起こるおそれがあるため、摂取している方は直ちに摂取を中止し、健康被害が疑われる場合には速やかに医療機関を受診するとともに、西宮市在住の方は西宮市保健所にご連絡ください。なお、西宮市外在住の方はお住まいの居住地を所管する保健所へご相談ください。
市民の皆様は、購入や摂取をしないよう注意してください。
参考
シブトラミンは国内で医薬品としては承認されていません。
作用:中枢性食欲抑制作用
副作用:血圧上昇、心拍数増加、頭痛、口喝、便秘、鼻炎等
製品の写真 ゼリー状(別添写真のとおり)(PDF:275KB)
厚生労働省 公表資料 医薬品成分を含有する製品による健康被害(疑い)の発生について 令和4年6月07日
ホーム > 報道・広報 > 報道発表資料 > 2022年6月 > 医薬品成分を含有する製品による健康被害(疑い)の発生について
令和4年6月07日(火)報道関係者 各位
医薬品成分を含有する製品による健康被害(疑い)の発生について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26097.html
本日、兵庫県西宮市及び千葉県千葉市から、別添1及び別添2のとおり記者発表を行った旨の連絡がありましたので、お知らせいたします。
当該製品を摂取すると健康被害が起こるおそれがあるため、摂取している方は直ちに摂取を中止し、健康被害が疑われる場合には速やかに医療機関を受診するとともに、最寄りの保健所にご連絡ください。
別添1[PDF形式:324KB]
別添2[PDF形式:227KB]
- 1. 西宮市 公表資料 医薬品成分を含有する製品の発見について 2022年6月7日
- 1.1. 製品の写真 ゼリー状(別添写真のとおり)(PDF:275KB)
- 2. 厚生労働省 公表資料 医薬品成分を含有する製品による健康被害(疑い)の発生について 令和4年6月07日
- 3. ニュース記事の紹介
- 3.1. 【神戸新聞】ネットで販売「やせるゼリー」で健康被害 頭痛やめまい…非承認の医薬品検出 西宮 2022/6/7
- 3.2. 【千葉日報】ゼリー状のダイエット食品で健康被害恐れ 未承認の医薬品成分検出 千葉市が注意呼びかけ 2022年6月8日
- 3.3. 【FNN】【独自取材】“やせるゼリー”に禁止成分 購入者が苦しんだ猛烈な吐き気や頭痛…成分には副作用や死亡例も 2022年6月9日
ニュース記事の紹介
※下記に紹介している記事や動画は時間の経過とともに削除される場合がありますのでご了承ください。また、新しいニュースがあれば追加します。
【神戸新聞】ネットで販売「やせるゼリー」で健康被害 頭痛やめまい…非承認の医薬品検出 西宮 2022/6/7
2022/6/7 19:21神戸新聞NEXT
ネットで販売「やせるゼリー」で健康被害 頭痛やめまい…非承認の医薬品検出 西宮
兵庫県西宮市保健所は7日、ダイエット用食品として販売されたゼリーを食べた市民から健康被害の届け出があり、国内で承認されていない医薬品成分「シブトラミン」が検出されたと発表した。厚生労働省の通知に基づき、製品名を公表した。インターネット上で健康被害の訴えが相次いでいた。
製品は「Detoxeret ゼリー」。ベトナムで製造され、インターネット上では個人や輸入業者が「やせる」とうたい、1箱(15包入り)3千~4千円程度で販売されている。ネット上の宣伝文句は「脂肪の減少をサポート」「血中脂肪を減らす」「3~15キロやせる」などだった。
西宮市によると、LINE(ライン)を通じて福岡市内の個人から購入した市民が3月下旬まで2週間、1日1包ずつを摂取したところ、動悸や頭痛、口の渇き、めまいなどの症状が出たという。重症ではなく、食べるのをやめると回復した。
市が国立医薬品食品衛生研究所で検査したところ、脳に作用して食欲を抑えるシブトラミンが1包当たり約22~24ミリグラム検出された。血圧上昇や心拍数増加などの副作用があり、国内販売は違法。市は「ただちに摂取を中止し、購入もしないでほしい」と呼び掛けている。
https://www.nishi.or.jp/kenko/hokenjojoho/iji/iyakuhinseibunn.html
【千葉日報】ゼリー状のダイエット食品で健康被害恐れ 未承認の医薬品成分検出 千葉市が注意呼びかけ 2022年6月8日
ゼリー状のダイエット食品で健康被害恐れ 未承認の医薬品成分検出 千葉市が注意呼びかけ
2022年6月8日 05:00千葉市は7日、インターネットを通じて購入したゼリー状のダイエット用食品「Detoxeret Jelly」=写真(市提供)=を食べた市民が体調不良になり、同食品を国の研究所で検査したところ、国内で承認されていない医薬品成分「シブトラミン」が検出されたと発表した。市は食べると健康被害が出る恐れがあるとして、食べないよう呼びかけている。
市医療政策課によると、シブトラミンは肥満症の治療に使われ海外では医薬品としての承認例があるが、国内は未承認。製造販売も禁じられている。同市民は4月27日にネットで購入。頭痛や吐き気などの症状が出たため、5月2日、市保健所に相談した。現在は回復しているという。
販売業者や流通経路は調査中。市は、健康被害が疑われる場合は速やかに医療機関を受診するとともに、市保健所に連絡するよう求めている。
https://www.chibanippo.co.jp/news/national/943926
【FNN】【独自取材】“やせるゼリー”に禁止成分 購入者が苦しんだ猛烈な吐き気や頭痛…成分には副作用や死亡例も 2022年6月9日
【独自取材】“やせるゼリー”に禁止成分 購入者が苦しんだ猛烈な吐き気や頭痛…成分には副作用や死亡例も
めざまし8
2022年6月9日 木曜 午後5:55ネットを通じて購入した“やせるゼリー”を食べた直後、体調を崩したと訴える女性。猛烈な吐き気や頭痛などに襲われ、その症状は3週間に渡って続いたといいます。
この記事の画像(21枚)
厚労省・自治体が注意喚起今回、問題となっているのは「ダイエット用食品」。ダイエットへの関心について、街の人は…
20代女性:
(関心は)結構ありますね。ネットで調べたり30代女性:
どちらかというと部分痩せっていうのは見たりしますね。サプリは(買ったことが)あります20代女性:
めちゃめちゃ(関心)あります。(サプリを)頼んだことあります。飲んだら1カ月で痩せますよみたいな、よくYouTubeとかでありますよね。それにつられて1回頼んだことはあります若い世代を中心に関心が高い、ダイエット食品。6月7日、厚生労働省や自治体が注意を呼びかけました。
千葉市役所HP:
インターネットを通じてダイエット用食品を購入した市民1名から体調不良の相談があった兵庫・西宮市役所HP:
SNSを通じて購入したダイエット用健康食品を摂取した市民から健康被害の届出があった
“やせるゼリー”に禁止成分「シブトラミン」健康被害の届け出があった商品の画像を見ると箱には、“ゼリー”と記載されています。ネット上では、「やせるゼリー」として販売されていました。
めざまし8は、問題となっている商品を入手しました。箱の中には、小分けされた細長いゼリーが入っています。
ディレクター:
茶色のパッケージが「ブラックカカオ、蜂蜜風味」そして緑のパッケージには「セロリと海藻の風味」と書かれています。触ってみると、感触としては固いのですが、この中にゼリーらしい弾力も感じられますパッケージの見た目でだけではわかりませんが、国立医薬品食品衛生研究所が中身の成分を調べた結果、ゼリーの中には「シブトラミン」という成分が入っていることが分かりました。
「シブラトミン」は、脳に作用して食欲を抑える効果があるとされていますが、医薬品として承認されておらず、国内での製造や販売は禁じられています。
この商品について、街の人たちの印象は…
30代女性:
海外のものだとちょっと怖いですよね。私だったらあまり買いたいと思わないかな。インフルエンサーの人が言ってたらよく見えるのかもしれないですね20代女性:
怪しいとは思わないです
「頭痛、胸の苦しみ、吐き気が止まらなくなり…」では、健康被害にあったと訴える女性は、どのような経緯でこの商品を購入したのでしょうか。めざまし8は、本人に話を聞きました。
被害にあった女性:
YouTubeを見まして、絶対に痩せる、痩せてない人はいないっていう言葉があって、それで、やっぱり女性ってダイエットしたいと思うんですよ。痩せたいとか。なので私も購入しようと思って、フリマサイトの方で購入しました購入した画面の商品説明には、「約3~15kg(体重が)減る可能性があります」と書いてあります。
被害にあった女性:
食べたのが4月28日の夜7時ごろ。3時間後に、頭痛、胸の苦しみ、吐き気が止まらなくなり、まず24時間ドクターコールに電話しました女性は「やせるゼリー」を食べて、3時間後に体調が悪化。症状は3週間にわたって続いたといいます。
被害にあった女性:
4月30日、内科を受診しました。吐き気が止まらない、頭痛やめまいみたいなものも起こっていることを伝えて、血液検査と点滴をしました。それでも良くならず、5月2日、もう一度病院に行きました。海外製の商品に手を出したのは軽率だったなと思います
ずさんな包装や成分表示苦しい日々を振り返り、ゼリーを食べたことを後悔している女性ですが、実は商品を開けた瞬間にある違和感を覚えたといいます。
被害にあった女性:
(箱を)開けてみたらゼリーが漏れてたんです。で、こういった状況で、なんか白いつぶつぶが見えるんですね包装が十分にされていなかったという商品。さらに、商品成分の表示にも…
被害にあった女性:
上も下もカカオが入ってることになっているんです。結構乱暴なやっつけ感のある会社ですね本来、風味が違うはずですが、成分表示を確認すると、いずれも「カカオ」が使われていると書かれています。
ずさんに見えるこの商品は、どこで作られた物なのでしょうか。商品のパッケージには…
ディレクター:
ここに会社名書いていますね。所在地を見ると、ベトナムのハノイと書いてますね販売会社を名乗るSNSには、この商品を食べて痩せたとする女性の画像が多く確認されました。実は、ベトナム国内でも「シブトラミン」を使った商品の製造販売は禁止されています。しかし、調べてみるとベトナムの販売サイトに同じとみられる商品を次々と発見しました。そこには、10日で5キロ、15日で7キロ、28日で10キロ痩せるとうたわれています。
販売サイトの担当者を取材すると…担当者:
商品は調べますが、製造販売してはいけない成分が含まれているかまでは管理できませんさらに、製造元とみられる会社に問い合わせましたが、何度電話してもつながらず、どのような経緯で「シブトラミン」を使ったのか、確認することはできませんでした。
「シブトラミン」副作用や死亡例も「やせる」とうたい、日本国内で販売されていたダイエット用食品。どうすれば、被害を防ぐことができるのでしょうか。
“やせるゼリー”とうたった「デトキシレットゼリー」。1箱15本入りで約3000円~5000円で、通販サイトや個人輸入で購入することができました。パッケージの成分表を見ても「シブトラミン」の成分の表記はなかったといいます。
「シブトラミン」という成分は、食欲を抑制し、肥満症治療に使用されたものです。日本では承認されていないため、処方もされていません。
「シブトラミン」は、1997年にアメリカで肥満治療薬として承認された後、中国・アメリカで”やせ薬”としてブームになりました。そして、2007年には日本企業が肥満治療薬として厚生労働省に承認を申請。しかし2010年には副作用を理由に欧米での販売が停止になり、日本企業も申請を取り下げ、開発中止となりました。
副作用としては、心拍数の増加、頭痛、鼻炎、血圧上昇などが報告され、過去にアメリカでは急性心不全などで7年で54件の死亡例もあったということです。
含有量がバラバラ…「適当に製造されているのでは」シブトラミンが入った”やせるゼリー”について、金沢大学の吉田直子助教は、少しおかしな点が見られたといいます。それは、シブトラミンの含有量という部分です。
千葉市と兵庫・西宮市の発表によると、「セロリと海藻の風味」「ブラックカカオ蜂蜜風味」の2種類を見てみると、千葉市では「セロリと海藻の風味」が38.3mgの含有量。「ブラックカカオ蜂蜜風味」が22.8mgだったのですが、兵庫・西宮市では「セロリと海藻の風味」が21.9mg、「ブラックカカオ蜂蜜風味」が23.7mgと、含有量がバラバラだったということで、吉田直子助教は「適当に製造されているのでは。シブトラミンの量が多くなるにつれ、副作用が重くなる可能性もある」と指摘しています。
死亡例もあるということですが、シブトラミンはどれくらい危険なものなのでしょうか。
金沢大学・吉田直子助教:
副作用というのは、出る方も出ない方もいらっしゃいます。今回このゼリーを食べた方で、頭痛、吐き気、胸の苦しみといった症状が見られているということなんですけれども、シブトラミンでは血圧上昇によって死亡例も報告されているような、起こりうる副作用が致死的です。なので、食欲抑制を期待するにはやはりリスクが高すぎるということで、こうした事例からも危ないということはご理解いただけるのではないかと思いますでは、問題はどこにあるのでしょうか。若狭勝弁護士によると、食べた人に関して、食べる分には法的には問題ないということです。ただ、製造したメーカーはシブトラミンを含む商品を製造・販売すること自体が問題です。流通させた側は、シブトラミンの含有を知っていた人は罪に問われる可能性が高いということなのですが、シブトラミンの含有を知らなかったという人も、知る機会があったと判断されれば、罪に問われる可能性があるといいます。
金沢大学・吉田直子助教:
口にするもの、体の中に入れるものというのは健康被害に直結します。なので、こういうケースというのは身近に迫っているということを、他人事ではないという意識をそれぞれの方に持っていただくことが非常に重要だと考えています。そういう意識を持って注意していただくことが、被害の回避に繋がると思っています。
偽造品で健康被害も「大げさな宣伝などには注意」吉田助教は偽造品のケースというのも指摘しています。「需要のある商品をまねた偽物に、未承認の医薬品が含有されており、それを摂取することで健康被害が出てしまうケースもある」ということです。
見分けるのが難しい部分もありますが、吉田助教によると「10年以上前から食品などにシブトラミンが含まれたりしているが、健康被害が起き報告されない限り実態はわからない」といいます。
健康被害を防ぐには、「食品を食べて劇的に痩せることは考えにくく、何らかの医薬品がはいっていると考えるべき。大げさな宣伝などには注意するべき」ということです。
https://www.fnn.jp/articles/-/372431
(「めざまし8」6月9日放送)
投稿者プロフィール
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◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)