• 特に、今回は危機管理のうち事故が発生したときのクライシスコミュニケーションに課題

事件の概要

  • 5年生の男子児童が給食のポークシチューを食べていたところ、何かが混入しているのに気付き吐き出した。
  • 異物は、縦およそ8ミリ、横およそ15ミリ、厚さおよそ1ミリのガラス片。
  • 男児は上あごを切る軽いけがをした。
  • 混入原因はフードプロセッサーで野菜を粉砕する際にガラスでできた容器の底の一部が破損し、調理鍋に混入したとみられるとのこと。
  • 原因となった調理器具の使用を取り止めるとともに、ステンレス製の器具への交換を手配した。
  • 学校の調理技師に対して安全対策の研修を行うことも決めた。
  • 給食は自校式で全校児童232人に提供。
  • 教区委員会が定める給食に異物が混入していた場合の対応マニュアルによると、異物が発見された時点で直ちに全校で給食を止めることになっていたが給食を止めていなかった。
  • 給食を止めなかった対応と保護者に送付されたメールの内容に疑問の声がでている。

コメント(課題・問題点・防止策等)

  • まさに危機管理の問題です。1つは事故防止のためのリスクコミュニケーション、もう1つは事故が発生したときのクライシスコミュニケーション。
  • 調理器具からの部品等の破損や脱落が多いことから、使用前後のチェック。
  • 特に、ガラスやねじなどがないかできるだけ少ない調理器具を使う。
  • 事故発生時のマニュアルの周知と徹底。特に迅速に対応するなどの時間が重要。
  • このような事故は隠そうとしても隠せないことを自覚し、どうしても迷うなら、教育委員会の本部に相談して指示を仰ぐこと。保護者にも正直に報告することが信頼回復に重要(メールの文面について教育委員会のチェックを受けたのか?)。外部に出る文章になるのでプレスリリースと同じく重要。
  • 私も異物混入事故防止の研修をしていますが、なかなかゼロにするのは難しいです。つまり、異物混入事故が起こることを常に想定して調理することが重要。

ニュース記事の紹介

※下記に紹介している記事や動画は時間の経過とともに削除される場合がありますのでご了承ください。また、新しいニュースがあれば追加します。

【福井テレビ】小学校の給食にガラス片混入 児童1人がけが 学校側はマニュアルを無視か(2022年9月7日)

2022.09.07 18:35
学校側はマニュアル無視か 混入判明後も給食提供を継続 小学校の給食ガラス片混入問題【福井市】

福井市の日新小学校で6日、提供された給食の中に調理器具のガラス片が混入し、これを食べた5年生の児童1人が口の中を切る軽いけがをした。市教委のマニュアルでは、混入があった際はただちに給食を止めることになっている。この児童が訴えたことで学校側はすぐに異物混入があったことを認識したが、給食を止める措置を取っていなかった。

福井市教育委員会や学校によると、福井市日新小学校で6日、5年生の男子児童が給食のポークシチューを食べていたところ、何かが混入しているのに気付き吐き出した。混入していたのは縦およそ8ミリ、横およそ15ミリ、厚さおよそ1ミリのガラス片。男子児童はガラス片に気づかず、シチューと一緒に口の中に入れてしまい、上あごを切る軽いけがをした。すぐに病院で手当てを受けたが、けがの程度は軽いという。

市教委が定める給食に異物が混入していた場合の対応マニュアルによると、異物が発見された時点で直ちに全校で給食を止めることになっている。しかし日新小は給食を止めていなかった。

ほかの児童や教職員270人も同じメニューの給食を食べたが、今のところ健康被害は確認されていないという。

給食が継続されたことについて、市の担当者は「対応に問題があった。止めなければならなかった」とコメントしている。

ガラス片の混入を受け、学校が調理器具を点検したところ、ポークシチューの具材を刻むために使っていた「フードプロセッサー」のガラス部分に破損が見つかった。市はこの破片が調理の過程で混入された可能性が高いとみている。

日新小は校内で給食を調理しているため、日新小以外の学校には給食を提供していないという。

https://www.fukui-tv.co.jp/?post_type=fukui_news&p=154738&page=1(リンク切れ)

【福井テレビ】【独自】学校「児童は異常みられず」 ガラス片混入で児童がけが マニュアルに従わなかった学校に聞くと…(2022年9月7日)

2022.09.07 18:40
「連絡が遅れたのはおかしい…」小学校ガラス片混入問題 学校側の対応に複数の不審な点が判明【福井市】

給食へのガラス片混入で児童がけがをしたのにも関わらず、なぜすぐに給食を止めなかったのか?学校側から保護者全員に宛てたメールが届いたが、その内容にも保護者からは疑問の声があがっている。

けがをした児童の保護者:
「給食の中に、ガラスが入っているのが一番ショック。(問題は)その後の対応。私の子供が食べてしまった後、ほかの児童に食べないように注意を促すなどすぐ他の先生に知らせて学校全体で食べさせないようにできたのでは」

学校の対応を巡って、けがをした児童の保護者は福井テレビの取材に憤りをあらわにした。市教委のマニュアルでは、異物混入の際はただちに給食を止めることになっている。

なぜすぐに給食を止めなかったのか?日新小学校の校長を取材すると。

日新小学校 宇野秀夫校長:
「ガラス片と欠けたフードプロセッサーがほぼ一致した。ガラス片が粉々になっていなかったので、給食も終わりの時間でそのまま給食を食べる形となりました」

また、校長は異物混入の際のマニュアルについて「認識はしていた」としたが、異物の確認に時間がかかったため、ただちに止められなかった」と話す。

こちらは6日夜、給食の異物混入について学校側から保護者全員に送られたメールだ。内容は「破片を発見した児童につきましては、病院を受診し、今のところ異常は見られず、様子を見ているところです」とある。

メールが送られたのはけがが発覚してから7時間後。ガラス片を口に入れた児童については「異常は見られず」と記載されている。このメールに児童の母親は…。

けがをした児童の保護者:
「子どもが病院に行っている時点で付き添いの先生には、他の保護者に絶対言った方ががいいと思いますと伝えた。たぶん校長がすると思いますという感じで返された。ずっといつ全体で連絡がくるのか待っていた。連絡がなかなか来ないので不安感もある。メールが遅れたのはおかしいのでは」

このあとメールの文言について保護者が学校側に指摘。7日朝になって「けがをした」との文言が加わったメールが送られてきた。謝罪メールは計4通に及んだ。

これについて校長は。

日新小学校 宇野秀夫校長:
「このようなことが起こり、保護者のみなさま、子どもたちに申し訳ないと思っている。再発防止に向けて先生ともう一度、安全管理マニュアルを見直して対策をきっちりする」

メール内容に保護者から指摘が相次いだことについて、校長は被害児童や保護者に対しての考えがいたらなかったと話している。

市教委は今回の事案を受け、市内の給食センターや単独で調理している学校に対し、注意喚起と再発防止を徹底するよう緊急で通知した。

具体的には、調理の前後に行う調理器具の点検について、劣化による破損の可能性なども含め確認するよう呼び掛けている。

https://www.fukui-tv.co.jp/?post_type=fukui_news&p=154740&page=1(リンク切れ)

【福井新聞】小学校給食のポークシチューにガラス片混入…福井県内の男子児童が口内にけが 福井市教育委員会 2022年9月7日


小学校給食のポークシチューにガラス片混入…福井県内の男子児童が口内にけが 福井市教育委員会
2022年9月7日 午後5時00分

 福井県の福井市教育委員会は9月7日、同市日新小で6日に提供された給食のポークシチューにガラス片が混入し、食べた5年生の男子児童1人が口の中に切り傷を負ったと発表した。

 市教委によると、児童はシチューを口に入れた後、異物に気付いてはき出し、担任が縦8ミリ、横1・5センチ、厚さ1ミリのガラス片を確認した。児童は福井県立病院を受診し、切り傷以外に異常はなく、経過観察している。

 給食は同校で調理しており、使用したフードプロセッサーのガラス容器外側の底が割れていた。市教委は、作業工程で破損し、何らかの原因で混入したとみている。

 市教委は、同校の保護者に事案を知らせるとともに、破損したフードプロセッサーを入れ替えた。再発防止策として、市内の給食センターや自校調理式の小中学校に調理器具の使用前後に確認を徹底するよう通知し、職員の研修も行う。

 市教委は「あってはならないことが発生し申し訳ない。再発防止に努める」としている。

https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1624974

【FBC 福井放送】給食シチューにガラス片混入 児童1人けが 2022.09.07

給食シチューにガラス片混入 児童1人けが

福井 2022.09.07 17:19

福井市は7日、市内の日新小学校で6日の給食で出されたポークシチューにガラス片が混入し、5年生の男子児童1人が口の中を切るけがをしたと発表した。ガラス片の大きさは横15ミリ、縦8ミリ、厚さ1ミリで、児童は飲み込む前に吐き出したという。病院を受診し、命に別条はない。(9月7日)


市による調査の結果、フードプロセッサーで野菜を粉砕する際にガラスでできた容器の底の一部が破損し、調理鍋に混入したとみられる。日新小学校の給食は、学校内で調理して提供するいわゆる「自校式」で、6日は1年生から6年生までの全校児童232人に提供された。

市の保健給食課は、原因となった調理器具の使用を取り止めるとともに、ステンレス製の器具への交換を手配したという。学校の調理技師に対して安全対策の研修を行うことも決めた。

再発防止に向けては、市内3カ所の給食センターと「自校式」で調理する42校の小中学校に対し、器具の使用と異物混入について、注意を求める緊急通知を出した。

https://www.fbc.jp/news/news95hpnquawidzabrp5x.html(リンク切れ)

投稿者プロフィール

赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)