- 学校給食の現場の食品事故ではありませんが、組織自体のコンプライアンスに違反する事件がたびたび発生しています。
- よくあるのは、納入業者との贈収賄事件で、そのほかに横領事件等があります。
- 今回の四条畷市の事件では、「学校給食運搬業務の委託に係る入札」の贈収賄と給食費の横領という両方が合わさった不祥事となっています。
- 贈収賄事件の背景としては、給食関連を受託する事業者が少ないというのもありますし、1社がずっと請け負ってきた場合に起こりがちです。特に、決裁権限者が1人だけとか限られている場合に多いです。さらに、出先の事業所も担当者が少なくなるので起こりえます。
- 罪状としては「加重収賄」と「官製談合防止法」違反の疑い
- 横領事件は、お金を管理する担当者が長年1人であり、相互チェック複数チェックする機能が働いていないことがほとんどです。
- 今回のようにトップが見積もりを自分で計算して作成して、それを漏らすというのは、本人の問題もさることながら組織としても何かできなかったのかというところです。
- さらに、長年の実績から所長になり、定年退職し、再任用というよくあるパターンですが、再任用となると当然給料が下がるということで、立場を利用して、横領や贈収賄に手を染めることもあるかもしれません。
- そして、給食費の横領で予算が減ったのか、給食費を値上げするという行動にも出ています。ここまでしてしまうと、つい手を出したじゃすまないレベルですね。
- 再発防止策は陣プライアンス委員会を立ち上げるとか複数担当者によるチェックなどどれも同じような対策が発表されます。歴史は繰り返す。
- 私も役所にいたので分かるのですが、入札をすれば、競争になって、どんどん価格が下がっていくというのが普通です。ましてや、特殊な技術を要しない単純な運搬業務ならなおさらのような気がします。そういう視点で見ると、入札価格に不自然さが感じられる可能性もありますよね。経理部門が気づけるかどうかというのもあるかもしれません。
- 今回は大阪府四条畷市の事件のニュースや公表資料を紹介します。
- 1. 大阪府四条畷市 記者会見提供資料(令和3年7月7日19時から行った記者会見で配布した資料)
- 1.1. 四條畷市立学校給食センター元所長の加重収賄等の疑いによる逮捕について [PDFファイル/665KB](画像はクリックで拡大表示)
- 2. ニュース記事の紹介
- 2.1. 【産経新聞】給食運搬業務の入札で収賄疑い 四條畷市の給食センター元所長逮捕 2021/7/6
- 2.2. 【産経新聞】設計金額を自ら積算 収賄容疑の給食センター元所長 2021/7/7
- 2.3. 【産経新聞】学校給食費を横領しつつ値上げを要求した非常識 2021/8/15
- 2.4. 【ABC】入札情報漏らし加重収賄 給食費約1400万円横領 四條畷市給食センター元所長 初公判で起訴内容認める 2021/10/06
大阪府四条畷市 記者会見提供資料(令和3年7月7日19時から行った記者会見で配布した資料)
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元市職員の逮捕について 更新日:2021年7月7日更新記者会見を行いました(令和3年7月7日21時時点)
四條畷市立学校給食センター元所長の加重収賄等の疑いによる逮捕について [PDFファイル/665KB]
https://www.city.shijonawate.lg.jp/soshiki/3/29824.html
四條畷市立学校給食センター元所長の加重収賄等の疑いによる逮捕について [PDFファイル/665KB](画像はクリックで拡大表示)
四條畷市立学校給食センター元所長の加重収賄等疑いによる 逮捕について
https://www.city.shijonawate.lg.jp/uploaded/attachment/15495.pdf
令和3年7月
四條畷市
【1. 概要】
令和 3年 5月 23 日に業務上横領の疑いで逮捕された 学校給食センター所長であった元市職員(以下、元所長) は、捜査の過程において、学校給食運搬業務の委託に係る入札について、秘密事項を業者に漏らした見返りとして賄賂を受け取ったとして加重収賄及び官製談合防止法違反の疑いに 加え 、給食費1,450万円の横領の疑いに より 、7月 6日に逮捕されました。
ニュース記事の紹介
※下記に紹介している記事や動画は時間の経過とともに削除される場合がありますのでご了承ください。
【産経新聞】給食運搬業務の入札で収賄疑い 四條畷市の給食センター元所長逮捕 2021/7/6
給食運搬業務の入札で収賄疑い 四條畷市の給食センター元所長逮捕
2021/7/6 23:39
産経WEST
大阪府四條畷市の学校給食運搬業務を委託する指名競争入札をめぐり、業者に秘密事項を漏らした見返りに賄賂を受け取ったとして大阪府警捜査2課は6日、加重収賄と官製談合防止法違反の疑いで、同市立学校給食センター元所長、林雅弘容疑者(65)=同市砂=を逮捕した。同課は認否を明らかにしていない。逮捕容疑は、同センター所長だった平成31年3月に同市が実施した給食運搬業務を委託する公募型指名競争入札で、府内の運送会社の役員2人に設計金額に近い金額を伝えて落札させ、その見返りなどとして30年8月から令和2年3月にかけて役員から紳士靴など計5点(販売価格計約23万円)を受け取ったとしている。
府警によると、給食運搬の委託業務の契約期間は5年で、前回の入札でもこの運送会社が落札していた。府警は会社の役員2人についても、贈賄容疑で捜査を進める。
https://www.sankei.com/article/20210706-5ASZLLTWLZML7GRLAXZX2JED5Y/
【産経新聞】設計金額を自ら積算 収賄容疑の給食センター元所長 2021/7/7
設計金額を自ら積算 収賄容疑の給食センター元所長 2021/7/7 12:00
大阪府四條畷市の学校給食運搬の業務委託をめぐる汚職事件で、業者側に設計金額に近い金額を漏らしたなどとして、加重収賄容疑などで逮捕された同市立学校給食センター元所長の林雅弘容疑者(65)が、自ら設計金額を積算する立場だったことが7日、大阪府警への取材で分かった。
府警は同日、同市役所や同センターなどを家宅捜索。業者は林容疑者から伝えられた金額を基に、上限に極めて近い価格で業務委託を落札したとみられ、府警は押収物を精査するなどして裏付けを進める。
府警によると、業務委託の公募型指名競争入札が実施されたのは平成31年3月。林容疑者は当時同センター所長で、入札について業務に必要と見込まれる費用である設計金額などを積算する立場だったという。
入札には府内の運送会社1社のみが参加し、1億1887万5千円で落札(落札率99・6%)した。府警は、林容疑者が入札の約1カ月前に、運送会社の役員らに設計金額に近い金額を伝え、謝礼などとして紳士靴など約23万円相当の賄賂を受け取ったとみている。
林容疑者は5月以降、児童の保護者から集めた給食費などを着服したとして、業務上横領容疑で逮捕、起訴されている。
https://www.sankei.com/article/20210707-EH2LF5G7ZNL6PHRNAJXVUCPWUA/
【読売テレビ】四條畷給食センター汚職 市役所などを捜索 元所長、林雅弘容疑者が収賄などの疑いで逮捕 2021/07/07
- 【YouTube】https://youtu.be/dwY1gupDOXk
【読売テレビ】“贈賄側”業者の要求で予定価格引き上げか 学校給食センター元所長 贈賄疑い 2021/07/08
- 【YouTube】https://youtu.be/dwY1gupDOXk
【関西テレビ】学校給食めぐる収賄事件 大阪府警が四條畷市役所を家宅捜索 情報漏らす見返りは「23万円相当」の物品か 2021/07/07
- 【YouTube】https://youtu.be/UBn70cp8nq8
【関西テレビ】学校給食めぐる収賄事件 業者側は落札率99,6%で契約結ぶ…給食センター元所長が落札可能な金額を計算 2021/07/08
- 【YouTube】https://youtu.be/1Zpi1iH7_7w
【産経新聞】学校給食費を横領しつつ値上げを要求した非常識 2021/8/15
学校給食費を横領しつつ値上げを要求した非常識
2021/8/15 20:00給食費の値上げは妥当だったか。大阪府四條畷市の学校給食センター元所長が今年7月、小中学生の保護者から預かる学校給食会計の口座から計約1450万円を横領した罪などで大阪地裁に起訴された。元所長の在任中、市の学校給食の会計は3年連続で赤字に陥り、「食材費の高騰」を理由に元所長自身が給食費の値上げを市教委に提案していたことが新たに判明した。市関係者からは「給食費の値上げで赤字を埋め、横領を続けたのなら刑事事件以上に罪は重い」との声が上がっている。
学校給食41年
業務上横領罪などで起訴されたのは、林雅弘被告(65)。昭和54年に給食調理員として採用され、学校給食に41年間たずさわった「たたき上げ」。平成26年から再任用期間を含めた6年間、学校給食センター所長を務め昨年3月に退任した。後任の所長らが、センターが事務を担う「学校給食会」の会計に不審な点があるのに気づき、今年1月、大阪府警に告発。林被告、給食会計の口座から、令和元年7月から11月までの間、3回にわたって計約330万円を横領した容疑で今年5月に逮捕され、余罪を合わせ7月に起訴された。
起訴状などによると、食材の納品業者を装った自分の口座に学校給食会から振り込み手続きを行う手口で、平成27年1月以降、10回で計約1450万円を横領したとされる。
また、平成31年3月に行われた給食配送業務の入札をめぐり、業者から紳士靴やスーツなど計約22万円相当を受け取った加重収賄罪などでも起訴された。
市関係者の一人は「いま思えば派手な腕時計など公務員らしくない部分はあった。所長になった初年度から給食費に手をつけていたとは」と話す。
値上げしても赤字
市によると、市の学校給食会の会計は年間2億3千万円前後の支出・収入がある。林被告が所長となった26年4月に給食費を値上げしたにもかかわらず、給食会の会計は28年度に約55万円、29年度に約100万円、30年度に約310万円の赤字が続いた。このため、31年4月から給食費は月額200円値上げされ、小学校は4400円、中学校は4800円に。中学校は府内平均レベルだが、小学校は約400円高い。
この給食費の値上げを市教委や学校給食会の理事会に提案したのが林被告だ。31年1月の市教委定例会の議事録によると「台風や地震で食料品価格が上昇している」と値上げ理由を説明し、理解を求めていた。
市への取材によると、値上げにより給食会計は年間約1100万円の増収となった。だが、林被告はその後も横領を重ね、給食費の値上げで会計の赤字を埋め、さらに横領を続けた可能性がある。
市の関係者は「会計を1人に任せたのは市と市教委の責任。1450万円もの横領が明らかになった以上、給食費の値上げが妥当だったのか、保護者や教員に説明する必要がある」と指摘する。市教委の担当者は「食材価格が上昇していたのは事実だと思うが、それ以上は何も言えない」と言葉を濁す。
東修一市長と植田篤司教育長は林被告の逮捕後、記者会見し「教育行政と市政への信頼を損なうことになり申し訳ない」と陳謝した。6月議会で自らの減給処分を行ったが、さらなる説明が求められるだろう。
巧妙な手口
学校給食の仕組みと会計の隅々を知る林被告の手口は巧妙だった。市の学校給食費は長年の慣習で、保護者から小中9校の各校長名義の口座に入り、任意団体である学校給食会の口座へと振り込まれる。林被告は学校給食会の会長(教育長)印を保管する金庫の鍵を持ち、納品業者への支払い決裁や伝票処理を1人で行っていた。
金融機関に出す振込依頼書に、自分の口座を紛れ込ませて記載。支払い手続きが完了した後は、自分の口座のない予備の振込受付書をファイルにとじて犯行を隠蔽(いんぺい)していた。市の会計や部下らの目にふれず、監査も形式的になりがちな「私会計」の隙を突いた。
学校では修学旅行代金の積み立て、PTA会費、教材費などの取り扱いがある。給食費は教員が親に対面して納付率を高めてきた経緯から、私会計で扱われるケースが多い。
文部科学省は学校給食の公会計化を各自治体に促しているが、令和元年12月の調査では、給食費を徴収する全国1686団体のうち約74%が私会計のまま。
四條畷市では今回の事件を機に全庁で私会計の見直しを進め、給食会計は来年度から市の会計に組み入れる方針だ。林被告が横領した全額の返還も求める。
ただ、林被告に靴やスーツを贈った業者については、市の規定で刑事事件の処分が契約解除の要件になく、「2学期以降も給食の配送業務を委託することなる」(東市長)といった問題も残っており、事態の正常化には時間がかかりそうだ。(守田順一)
https://www.sankei.com/article/20210815-5KMIGTJYLRP5VFKTGDIRGJN7TM/
【ABC】入札情報漏らし加重収賄 給食費約1400万円横領 四條畷市給食センター元所長 初公判で起訴内容認める 2021/10/06
入札情報漏らし加重収賄 給食費約1400万円横領 四條畷市給食センター元所長 初公判で起訴内容認める10/06 19:57
給食業務に関する入札情報を業者に漏らし、見返りに賄賂を受けとったとして、加重収賄などの罪に問われている四條畷市の給食センターの元所長が、初公判で起訴内容を認めました。
林雅弘被告(65)は、大阪府四條畷市にある学校給食センターの所長だったおととし、給食運搬業務の委託を公募する入札情報を運送業者に漏らした見返りに、靴やオーダースーツなど20万円余りの賄賂を受け取った他、2015年から4年間、小中学校から集めた給食費、あわせて1400万円余りを横領した罪に問われています。
6日の初公判で林被告は「間違いありません」と起訴内容を認めました。
検察は「運送業者の社長が入札の情報提供を目的に靴などを贈ってきたことを、林被告は認識しながら受け取っていた」とし、横領した給食費の使い道については「競馬の馬券や子どもの養育費に使っていた」と指摘しています。
https://www.asahi.co.jp/webnews/pages/abc_12373.html
投稿者プロフィール
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◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)