事件の概要
- 学校給食センターで調理中の職員がネズミのようなものを目撃したため、捕獲シートを設置したところ、炊飯室でネズミ5匹が捕獲された
- 教育委員会は、保健所や衛生管理業者に連絡し、侵入経路の調査や駆除それに消毒などを実施
- 給食は市内の小中学校13校のあわせておよそ3000人に提供
- ネズミが見つかったのは今回が初めてで、教育委員会は「清潔・衛生の保持について今まで以上に徹底していく」とコメント
コメント(課題・問題点・防止策等)
- 「食品製造施設」と「そ昆(そ族昆虫)…ネズミや昆虫類」は切っても切れないものであり、異物混入等の事案に発展する可能性がありますので、衛生管理対策として、そ昆対策は重要なものとなっています。
- 完全に対策するのは施設自体の関連で難しいかもしれません。大企業の工場でも虫等の異物混入事例が発生しています。建物が古かったりする場合は、その分、日常の衛生管理が重要になってきます。
- 大量調理施設衛生管理マニュアルでは毎日の点検と6カ月に1回の駆除することになっています。
- 今回の事案では、調査結果はわかりません。以前からあったのか、新たに発生したのか。どの程度の日常点検・定期駆除をしていたかというのもありますが、学校給食なのである程度は実施していると思いますが、どの程度のレベルを保っていたかというところです。
- 下記に『大量調理施設衛生管理マニュアルの「そ昆(ねずみや昆虫)」対策』について抜粋して紹介していますので参考にしてください。
大量調理施設衛生管理マニュアルの「そ昆(ねずみや昆虫)」対策
【施設設備の構造】
② 施設の出入口及び窓は極力閉めておくとともに、外部に開放される部分には網戸、エアカーテン、自動ドア等を設置し、ねずみや昆虫の侵入を防止すること。【施設設備の管理】
② 施設におけるねずみ、昆虫等の発生状況を1月に1回以上巡回点検するとともに、ねずみ、昆虫の駆除を半年に1回以上(発生を確認した時にはその都度)実施し、その実施記録を1年間保管すること。また、施設及びその周囲は、維持管理を適切に行うことにより、常に良好な状態に保ち、ねずみや昆虫の繁殖場所の排除に努めること。
なお、殺そ剤又は殺虫剤を使用する場合には、食品を汚染しないようその取扱いに十分注意すること。【調理施設の点検表】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/01.html
1.毎日点検
1 施設へのねずみや昆虫の侵入を防止するための設備に不備はありませんか。
2.1 カ月ごとの点検
1 巡回点検の結果、ねずみや昆虫の発生はありませんか。
2 ねずみや昆虫の駆除は半年以内に実施され、その記録が1年以上保存されていますか。
ニュース記事の紹介
※下記に紹介している記事や動画は時間の経過とともに削除される場合がありますのでご了承ください。また、新しいニュースがあれば追加します。
【あいテレビ】学校給食センターでネズミ発生 給食が中止に 愛媛・伊予市 2022年10月6日
学校給食センターでネズミ発生 給食が中止に 愛媛・伊予市
国内
2022年10月6日(木) 19:56愛媛県伊予市の学校給食センターで5日から6日にかけて、ネズミ5匹が捕獲され、市の教育委員会は7日と今月11日の給食を中止すると発表しました。
伊予市教育員会によりますと5日午前10時半ごろ学校給食センターで調理中の職員がネズミのようなものを目撃したため、捕獲シートを設置したところ、けさまでに炊飯室でネズミ5匹が捕獲されたということです。
これを受け教育委員会は、保健所や衛生管理業者に連絡し、現在、侵入経路の調査や駆除それに消毒などを実施しています。
給食は市内の小中学校13校のあわせておよそ3000人に提供されていて、6日は非常食のカレーなど調理を伴わない献立に変更されたほか、7日と今月11日については給食の提供を中止するということです。今のところ人的な被害は確認されていないということです。
ネズミが見つかったのは今回が初めてで、伊予市教育委員会は「清潔・衛生の保持について今まで以上に徹底していく」とコメントしています。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/itv/172670?display=1(リンク切れ)
【読売新聞】市学校給食センターにネズミ、計5匹捕獲…11日まで給食提供中止 2022/10/07
市学校給食センターにネズミ、計5匹捕獲…11日まで給食提供中止
2022/10/07 17:00愛媛県伊予市教育委員会は6日、市学校給食センターでネズミが確認されたことから、小中学校の給食提供を11日まで中止すると発表した。駆除や消毒作業を行い、12日から再開する見通し。
発表では、調理員が5日、炊飯室内でネズミのような小動物を目撃。捕獲シートを設置したところ、6日朝までに計5匹のネズミを捕まえた。
市教委は県中予保健所に報告。この日の調理は中止し、パンと牛乳、非常食用のカレーを提供した。授業のある7、11両日については、弁当の持参を児童や生徒に求めたという。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20221007-OYT1T50139/
投稿者プロフィール
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◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)