事件の概要

  • 小学校の給食で提供された回鍋肉の中にガラス片が混入。
  • 児童が回鍋肉を口に入れたところ異物に気付いたが、噛まずに出したためケガはなく、健康被害もなかった。学校がすべての児童の給食を調べたところ、あわせて2人の児童の回鍋肉にガラス片が混入していた。
  • 混入していたガラス片は5mmから1cm。
  • 調理を担当した60代の給食主任が、回鍋肉の調理に使った豆板醤ビンを落として割ってしまった際、中身を別の容器に移し、1人で異物がないことを確認して、ほかの職員に相談することなくそのまま使っていたことがわかった。
  • この職員は、校長による「検食」の際にも報告しなかったため、そのまま児童への配膳に至った。
  • 床に落とした調味料は使用しないことというルールがあった。
  • 職員の衛生管理を徹底し、異物混入対応マニュアルの見直しをするとのこと。

コメント(課題・問題点・防止策等)

  • 最後の砦である配膳された後に口に入れる前に児童が気づくことができず、口に入ってしまったという事例になります。
  • 私の研修では必ず伝えているガラス片の混入です。
  • 事例としてトマトピューレを鍋に入れる時に鍋の角にビンをぶつけて割れて混入したり、オレンジジュースのビンか割れたものが掃除しきれずに混入したりした事例があります。前者は原因がはっきりしていますが後者はいつどこで混入したのかわからないものでした。
  • 今回の事例は調理の過程で豆板醤の入ったビンを落として割れたのに、中身を別の容器に移したため、そのときにガラス片が混入したということです。
  • 給食に使用する豆板醬のビンを落として割ったことは、個人のミスではありますが、個人を責めるミスではなく誰もが起こしてしまう可能性のあるミスです。そのようなミスに対しては、組織として、いかにリカバリーするのかということに注視しなければなりません。
  • 今回はビンを割った後の2つの対応「廃棄せずに中身を別の容器に移した」「報告をしなかった」が問題であり、ミスが発生したけど、事前にリカバリーできて事故を防ぐことができた事例です。
  • 給食主任だったからか、ミスを報告したくなかったのか、「気が動転していた」「調理を間に合わせることに気を取られて」とのコメントもありますし、いろんな思いはあるでしょう。
  • 誰もが起こす可能性のあるミスが起こったときに、組織として調理員が安心して報連相ができる環境を整える必要があります。メニューが変更になるという大きな事態になるかもしれませんが、場合によっては、新しいものを買いに行くことでリカバリーできるかもしれません。
  • 実は、このような事故は100%防ぐことができます。研修で伝えているのは「ガラスに入った材料は使用しない」、つまり、リスクを排除するというのが第一で、ガラスがないのだから100%ガラス片が入ることはありませんという単純な話です。※(参考)製品安全の3原則ステップ1
  • どうしてもそれができないのであれば、安全措置として全く別の場所でビンの中身を他の容器に移して確実にビンが割れていないことを確認して処理するということです。在庫があるなら在庫分はそうしてほしいです。※(参考)製品安全の3原則ステップ2

ニュース記事の紹介

※下記に紹介している記事や動画は時間の経過とともに削除される場合がありますのでご了承ください。また、新しいニュースがあれば追加します。

【Daiichi-TV news】【異物混入】小学校給食のホイコーローにガラス片混入も健康被害は確認されず…給食室で割れた容器片か(浜松市) 2024年7月11日

【異物混入】小学校給食のホイコーローにガラス片混入も健康被害は確認されず…給食室で割れた容器片か(浜松市)
2024年7月11日 18:03

浜松市は小学校の給食で提供されたホイコーローにガラス片が混入していたとして、11日午後、会見で謝罪しました。

(浜松市の会見)
「心よりおわび申し上げます」

浜松市教育委員会によりますと、ガラス片が混入したのは、10日、鴨江小学校の給食で提供されたホイコーローで、教室で配膳された後、児童2人が混入に気付いたということです。今のところ児童に健康被害は確認されていません。

このホイコーローを校内の給食室で調理した際、職員が調味料の入ったビンを落とし割ってしまいましたが、中に入っていた調味料を別の容器に移しそのまま使用したため、その際にガラス片が混入したとみられます。

この職員は、校長による「検食」の際にも報告しなかったため、そのまま児童への配膳に至ったことから、浜松市は、職員の衛生管理を徹底し、異物混入対応マニュアルの見直しをするとしています。

https://news.ntv.co.jp/n/sdt/category/society/sd2b8a6f45487e40ac997eb05dbdc89bde

【テレビ静岡ニュース】「気が動転していた」調味料のビンを割りそのまま調理続け報告もせず…給食に破片混入 2024年07月11日

「気が動転していた」調味料のビンを割りそのまま調理続け報告もせず…給食に破片混入
2024年07月11日(木)
地域暮らし・生活

静岡県浜松市の小学校で、自校式の給食に調理で使っていたガラス製のビンの破片が混入していました。担当者はビンが割れたことに気づいていながら調理を続け、報告もしていなかったということです。

混入があったのは浜松市立鴨江小学校で、ホイコーローの中に入っていた5mm~1cmほどのガラス片に児童2人が気づきました。

ガラス片は豆板醤のビンの破片で、このうち1人は口に入れてしまったものの、噛む前でケガはありませんでした。

浜松市教育委員会によりますと、この小学校は校舎内で給食を作っており原因は担当者が調理中にビンを床に落として割ったものの、中に残ったものを使い調理したためだと説明しています。

マニュアルでは別の食材で調理することになっていましたが、担当者は「気が動転していた」と話しているということです。

一方で、別の職員や校長に報告しておらず、教育委員会は担当者への処分とともに調理担当職員への研修などを検討しています。

https://www.sut-tv.com/news/indiv/27924/

【SBSnews6静岡放送】「調理を間に合わせることに気を取られて」床に落として割った瓶の豆板醤を使う 小学校の給食にガラス片が混入 浜松市教委が謝罪【続報】

「調理を間に合わせることに気を取られて」床に落として割った瓶の豆板醤を使う 小学校の給食にガラス片が混入 浜松市教委が謝罪【続報】
再生する
2024年7月11日(木) 19:06
国内
浜松市の小学校の給食で提供された回鍋肉の中にガラス片が混入していた問題。調理員が床に落として割った瓶の中身を調理に使用したためで、浜松市教育委員会が7月11日、謝罪しました。

この問題は10日、浜松市中央区の鴨江小学校で提供された給食の回鍋肉にガラス片が含まれているのを児童2人が発見したものです。

浜松市教育委員会の説明によりますと、ガラス片は調理に使われた豆板醤の瓶を60代の女性調理員が誤って床に落としてしまい、割ってしまった際に混入したものとみられています。

調理員は割れた瓶を拾い上げ、中に残っていた豆板醤を別の容器に移し、異物の混入がないことを1人で確認し、そのまま調理に使用したということです。床に落とした調味料は、使わないことになっていましたが、調理員は状況を報告していませんでした。

報告しなかった理由について、調理員は「調理を間に合わせることに気を取られて報告まで気が回らなかった」という趣旨の説明をしているということです。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/sbs/1289904?display=1

【NHK静岡 NEWS WEB】小学校給食2食分にガラス片 児童1人 口に含むも けがなし 07月11日

静岡 NEWS WEB
小学校給食2食分にガラス片 児童1人 口に含むも けがなし
07月11日 19時28分

10日、浜松市の小学校で提供された給食の中にガラス片が混入していたことがわかりました。
口に含んだ児童1人にけがはありませんでしたが、市の教育委員会は割れた瓶に入った調味料を使ったことが原因だとして、保護者におわびするとともに再発防止を徹底することにしています。

浜松市教育委員会によりますと10日、中央区にある市立鴨江小学校で、給食で提供されたホイコーローにガラス片が入っているのを児童が見つけました。
学校がすべての児童の給食を調べたところ、3年生と4年生、あわせて2人の児童に提供されたホイコーローに1センチほどのガラス片がそれぞれ入っていることがわかったということです。
このうち1人がガラス片を口に含んだということですが、けがはありませんでした。
市教育委員会が原因を調べたところ、調理を担当した60代の給食主任が、調味料が入った瓶を落として割ってしまった際、中身を別の容器に移し、ほかの職員に相談することなくそのまま使っていたことがわかったということです。
市のマニュアルでは、給食に異物が混入した疑いがある場合は、そのメニューを提供しないよう定められていて、学校では保護者に対し連絡アプリを通じておわびと報告を行ったということです。
市教育委員会は「信頼を損なう事態を招き、心からお詫び申し上げます」としていて、今後、職員研修での衛生管理の指導などを通じて再発防止を徹底することにしています。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20240711/3030024594.html

【テレビ静岡】落とした豆板醤のビンが割れ…回鍋肉に破片が混入 気づかぬまま児童2人が口に含むもケガや健康被害なし
2024年07月10日

落とした豆板醤のビンが割れ…回鍋肉に破片が混入 気づかぬまま児童2人が口に含むもケガや健康被害なし
2024年07月10日(水)

浜松市は、7月10日に市立鴨江小学校で提供された給食にガラス片が混入していたと発表しました。

児童2人が回鍋肉を口に入れたところ異物に気付いたということですが、いずれも噛まずに出したためケガはなく、健康被害もないということです。

混入していたガラス片は5mmから1cmほどでした。

これを受け、全児童に対して回鍋肉を食べないよう指示すると共に全員の健康状態を確認しましたが、2人以外への混入はなく、健康被害もありません。

浜松市によると、鴨江小学校は直営の自校方式で給食を出していて、調理の過程で豆板醤の入ったビンを落として割れたことは確認されているものの、なぜ給食に混入したのかはわかっていません。

保護者に対しては連絡アプリを通じてお詫びと報告をしたということです。

浜松市は詳細な原因究明を進め、再発防止策を実施する考えです。

https://www.sut-tv.com/news/indiv/27909/

【静岡放送】給食の回鍋肉にガラス片 調理に使った豆板醤の瓶が割れて…児童が口に含むもけがはなし=浜松市2024年7月11日

給食の回鍋肉にガラス片 調理に使った豆板醤の瓶が割れて…児童が口に含むもけがはなし=浜松市 | SBS NEWS | 静岡放送 | 静岡県内ニュース・天気
2024年7月11日(木) 11:01
国内
浜松市の小学校の給食で提供された回鍋肉の中にガラス片が混入していたことがわかりました。ガラス片を口に含んでしまった児童もいましたが、けがをした人はいないということです。

ガラス片の混入が確認されたのは浜松市中央区の市立鴨江小学校です。

7月10日の給食で提供された回鍋肉にガラス片が混入しているのを、クラスが異なる2人の児童が発見したということです。

少なくとも発見した児童のうち1人はガラス片を口に含んだということですが、けがはありませんでした。

発見されたガラス片の大きさは5mmから1cm程度でした。

鴨江小学校は、直営の自校式で給食を調理・提供していて、混入したガラス片は回鍋肉の調理に使った豆板醤の瓶が割れたものだということが判明していますが、詳しい経緯について浜松市教委は調査中としています。

事態を確認した学校側は校内放送で児童に対し、回鍋肉を食べないように指示し、保護者に対しては連絡アプリで報告したということです。

鴨江小学校では給食室の点検・清掃を徹底していて、11日以降も校内給食室で調理した給食を提供しています。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/sbs/1287894?display=1

投稿者プロフィール

赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)