事件の概要

  • 大阪市の複数の小学校で給食に提供した牛乳に、味や匂いに異変があるという報告があった
  • 同一業者から牛乳を納品している学校に対して、直ぐに牛乳の喫食を止めるよう指示したが、児童生徒の一部は既に飲んでいる状態だった
  • 症状として頭痛、喉の痛み、喉のしびれ、腹痛、吐き気、飲用できないほどの苦みを感じる、等の訴え、健康被害が生じている(7校で計27人)
  • 学校給食以外でも大阪市と同様の異臭等の訴えがあった
  • その後の検査で、異味と異臭を確認できた検体から、pH値で強アルカリ性が検出された
  • 引き続き原因を調査中
  • 牛乳の製造メーカーは「いかるが乳業株式会社」
  • 大阪市教育委員会は最終報までしっかり公表しているので今後も追加情報があれば追記予定

コメント(課題・問題点・防止策等)

  • 牛乳の風味異常は、えさのにおいが生乳に移った青草臭(風味異常で品質不良扱い)や特定の牧場での生乳が偏ったものだったりすることがあるが、通常は、複数の牧場からの原料乳を今後させることで、均質にしている。たまたま偏りがあった時に発生する事例で、過去にもある事例。
  • 特に、学校給食の場合は、1人が風味異常を感じたら伝染することもあり、敏感になってしまうこともある。
  • その他、洗浄液が製造ラインのパイプに流入したり、残存していたりする事例がある。
  • 今回の検査速報で、強アルカリ性となっていることから、もしかすると、洗浄液が関係しているかもしれない。
  • ちなみに、大阪市では平成30年4月に、別の事業者の給食牛乳で錆の混入事例があり、そのときは洗浄用の電解水の貯留タンクの点検及び管理不備によるものだった。
  • また、平成30年4月に茨城県の学校給食で誤って洗浄液を混入した事故があった。
  • 青草臭などの品質特性としては、平成26年4月の東京都・神奈川県の事例や平成29年9月の神奈川県の事例がある。

大阪市 報道発表資料

報道発表資料 学校給食用牛乳の提供停止について(第一報)
2021年12月8日

ページ番号:551219

問合せ先:教育委員会事務局 指導部 保健体育担当(06-6208-9140)
令和3年12月8日 15時45分発表
 大阪市教育委員会事務局では、令和3年12月8日(水曜日)、一部の学校で、学校給食において提供した牛乳について、飲用に適さないと判断し提供を中止しましたので、お知らせします。

1 経過
 令和3年12月8日(水曜日)13時頃、大阪市立小学校3校(東住吉区2校・平野区1校)から、給食に提供した牛乳について、味や匂いに異変があるという報告がありました。

 報告を受け、同一業者から牛乳を納品している学校に対して、直ぐに牛乳の喫食を止めるよう指示しましたが、児童生徒の一部は既に飲んでいる状態でした。

 児童生徒の健康状態については、現在確認中です。

2 発生原因
 現在調査中です。
3 対象校(同一業者から牛乳を納品している学校)
北区、東淀川区、生野区、東住吉区、平野区の小学校81校及び中学校39校
4 対象本数
約4万本

https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kyoiku/0000551219.html

報道発表資料 学校給食用牛乳の提供停止について(第二報)
2021年12月9日

ページ番号:551330

 本件については、令和3年12月9日17時15分に一部訂正しております。別途訂正発表をご参照ください。
問合せ先:教育委員会事務局 指導部 保健体育担当(06-6208-9140)
令和3年12月9日 15時55分発表
 令和3年12月8日(水曜日)、一部の学校で、学校給食において提供した牛乳を飲用に適さないと判断し提供を中止した件につきまして(令和3年12月8日15時45分報道発表済み)、現在の状況をお知らせします。
1 牛乳の異変が確認された学校
小学校4校(東住吉区2校、平野区2校)

中学校1校(東住吉区)

2 牛乳の異変が確認された学校における児童生徒の健康状態
 腹痛などの体調不良を訴えた児童生徒は21名です。

 うち1名が令和3年12月9日(木曜日)に、体調不良のため欠席していますが、牛乳喫食との関連性について現在確認できていません。
3 その他
 令和3年12月9日(木曜日)以降の給食には、当該牛乳供給事業者が製造した牛乳の提供を停止し、原因が判明するまでの間、他の牛乳供給事業者が製造した牛乳を提供します。

 関係機関と連携し、引き続き、原因を調査しています。

https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kyoiku/0000551330.html

報道発表資料 報道発表資料の一部訂正について「学校給食用牛乳の提供停止について(第二報)」
2021年12月9日

ページ番号:551351

問合せ先:教育委員会事務局 指導部 保健体育担当(06-6208-9140)
令和3年12月9日 17時15分発表
 令和3年12月9日15時55分に報道発表しました「学校給食用牛乳の提供停止について(第二報)」について、一部内容に誤りがありましたので下記のとおり訂正します。

【訂正箇所】
1 牛乳の異変が確認された学校
(正)

小学校4校(東住吉区2校、平野区2校)

中学校1校(東住吉区)

(誤)

小学校4校(東住吉区3校、平野区1校)

中学校1校(平野区)

https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kyoiku/0000551351.html

報道発表資料 学校給食用牛乳の提供停止について(第三報)
2021年12月17日

ページ番号:552211

問合せ先:教育委員会事務局 指導部 保健体育担当(06-6208-9140)
令和3年12月17日 14時発表
 令和3年12月8日(水曜日)、一部の学校で、学校給食において提供した牛乳を飲用に適さないと判断し提供を中止した件につきまして、牛乳供給事業者より経過報告がありましたので、お知らせします。

 なお、本件については、令和3年12月8日付けで第一報、令和3年12月9日付けで第二報を報道発表しています。
1 牛乳の異変が確認された学校における児童生徒の健康状態
 牛乳の喫食による体調不良のため欠席している児童生徒は、現在確認されていません。
2 牛乳供給事業者からの報告について
 現在、原因の特定には至っていませんが、当該牛乳供給事業者から次のとおり経過報告がありました。
報告内容
回収した製品の一部を確認したところ、異味と異臭を確認している。
異味と異臭を確認できた検体からは、pH値で強アルカリ性が検出された。
12月16日現在、自社分析及び外部機関による分析では、食中毒菌は陰性判定だった。
大阪市保健所の指導のもと、強アルカリ性が検出された原因を調査中である。
3 今後の対応について
 発生原因の判明には至っていないことから、引き続き関係機関と連携し、当該牛乳供給事業者からの報告の検証も含め、原因を調査してまいります。
4 その他
 引き続き当該牛乳供給事業者が製造した牛乳の提供を停止し、原因が判明するまでの間、他の牛乳供給事業者が製造した牛乳を提供します。

https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kyoiku/0000552211.html

いかるが乳業株式会社 「牛乳の風味異常等についてのお詫びと自主回収のお知らせ」

2021年12月17日 11:48

速報 外部分析結果

2021年12月16日 21:10

健康被害に関するお詫び続報

追加調査状況をご報告いたします。

同製品において、先般の4小学校(東住吉区2校・平野区2校)、1中学校(東住吉区)、1支援学校(東住吉区)に加えて、

学乳以外でも3社で大阪市と同様の異臭等の訴えがありました。

早急に原因究明に努めて参ります。

2021年12月14日 1:14

健康被害報告に関する訂正 と お詫び
「牛乳の風味異常等についてのお詫び 及び 自主回収のお知らせ」におきまして、
お召し上がりになられた方よりのどの痛み・腹痛などの訴えがあるにも関わらず、
”健康被害のご報告はございません”と記載しておりました。
この点に関しまして、関係者の方々より多数ご指摘を賜りました。
改めて関係者に確認しまして、訴えの内容を以下の通り訂正致します。
・風味異常等のご報告内容
 症状として以下の訴え、健康被害が生じております。
・頭痛、喉の痛み、喉のしびれ、腹痛、吐き気、飲用できないほどの苦みを感じる、等
関係者への事実確認を怠り、不十分な情報のもと、健康被害なしとご報告致しましたこと、
謹んでお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
加えまして、12月14日時点の調査状況を更新致しました。

2021年12月11日 15:15

令和3年12月10日に発表しました「牛乳の風味異常等についてのお詫びと自主回収のお知らせ

について一部内容に誤りがありましたので下記のとおり訂正します。

(正)

小学校4校(東住吉区2校、平野区2校)、中学校1校(東住吉区)

支援学校1校(東住吉区)

(誤)

小学校3校(東住吉区2校、平野区1校)、支援学校1校(平野区)

2021年12月10日

 牛乳の風味異常等についてのお詫びと自主回収のお知らせ

http://www.ikaruga-milk.co.jp

2021年12月17日 11:48

速報 外部分析結果

2021年12月16日 21:10

健康被害に関するお詫び続報

追加調査状況をご報告いたします。

同製品において、先般の4小学校(東住吉区2校・平野区2校)、1中学校(東住吉区)、1支援学校(東住吉区)に加えて、

学乳以外でも3社で大阪市と同様の異臭等の訴えがありました。

早急に原因究明に努めて参ります。

http://www.ikaruga-milk.co.jp

2021年12月10日「牛乳の風味異常等についてのお詫びと自主回収のお知らせ」

2021年12月17日「速報 外部分析結果」

ニュース記事の紹介

※下記に紹介している記事や動画は時間の経過とともに削除される場合がありますのでご了承ください。また、新しいニュースがあれば追加します。

【読売新聞】給食牛乳が強アルカリ性示す、7校で児童・生徒27人が体調不良に 2021/12/18

給食牛乳が強アルカリ性示す、7校で児童・生徒27人が体調不良に
2021/12/18 08:22
この記事をスクラップする
大阪市役所
 大阪市立小中学校で給食の牛乳を飲んだ児童・生徒が相次いで異常を感じた問題で、市教育委員会は17日、回収した牛乳を検査した結果、食中毒菌は確認されなかったものの、一部の検体が強アルカリ性を示したと発表した。また、市によると、一部の製品でナトリウムの含有量が標準値を上回っていたといい、原因を調べている。

 一連の問題で体調不良を訴えた児童・生徒は7校で計27人となった。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20211217-OYT1T50346/

【読売新聞】給食の牛乳に「苦い」「ヨーグルトのようなにおい…12人が腹痛や吐き気 2021/12/08

給食の牛乳に「苦い」「ヨーグルトのようなにおい…12人が腹痛や吐き気
2021/12/08 22:47

 大阪市教育委員会は8日、学校給食で出された牛乳を飲んだ児童や教職員から「味がおかしい」などの訴えがあり、提供を中止したと発表した。東住吉、平野両区の市立小3校の児童計12人が体調不良を訴えており、市保健所と協力して原因を調べる。

 発表によると、3校から8日午後1時頃、「苦い」「ヨーグルトのようなにおいがする」などの連絡があり、児童らの体調を確認したところ計12人が腹痛や吐き気を訴えた。牛乳は200ミリ・リットルの紙パック入りで、消費期限は14日だったという。

 市教委は、同じ業者が納入している両区と北、東淀川、生野各区の小中学校計120校に提供をやめるよう指示したが、すでに飲んでいた児童・生徒もいたという。9日以降は安全性が確認されるまで、ほかの業者の製品を使う。

 府教委にも、大阪市内の特別支援学校1校から、同じ業者の牛乳について「異臭がする」と連絡があった。体調不良の訴えはなかったという。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20211208-OYT1T50235/

【朝日新聞】給食の牛乳に異臭、12人が腹痛「ヨーグルトのような味」 大阪 2021年12月8日

給食の牛乳に異臭、12人が腹痛「ヨーグルトのような味」 大阪
2021年12月8日 18時05分

 大阪市教育委員会は8日、市立小学校3校から、給食で提供した牛乳について、「味やにおいに異変がある」との訴えがあったと発表した。原因は調査中だが、給食後に児童12人が腹痛や吐き気などを訴えたという。

 市教委によると、8日午後1時ごろ、東住吉区と平野区の小学校3校から、給食で出た200ミリリットルの紙パックの牛乳について「苦い」「ヨーグルトのような味がする」と通報があった。市教委によると、提供したのは同一業者で、市立小中学校120校に約4万本を納品。市教委が各校に牛乳を飲むのをやめるよう指示したが、大半の児童生徒がすでに飲み終わっていたという。

 給食後、3校の小学校で12人の児童が、腹痛や吐き気などを訴えたが、牛乳との因果関係は分かっていない。市保健所は、牛乳を提供する業者への立ち入り調査を開始。原因が判明するまでは120校に対して、この業者の牛乳の納品を停止し、他の業者の牛乳を提供するという。

https://www.asahi.com/articles/ASPD85VSJPD8PTIL032.html

【NHK関西 NEWS WEB】大阪市 給食牛乳から異臭 提供中止 12月09日

関西 NEWS WEB
大阪市 給食牛乳から異臭 提供中止
12月09日 05時36分

大阪市教育委員会によりますと、今月8日、市内の小学校3校から、給食で出した牛乳の味やにおいがおかしいと連絡がありました。
同じ業者の牛乳はあわせて120の小中学校で出していて、教育委員会は、児童生徒の健康状態を確認するとともに、この牛乳の提供を取りやめるとしています。

大阪市教育委員会によりますと、8日、午後1時ごろ、東住吉区と平野区の小学校、あわせて3校から、給食で出した牛乳の味やにおいがおかしいと連絡がありました。
同じ業者の牛乳は、大阪市内の5つの区の120の小中学校であわせて4万本を提供しているということで、教育委員会は、児童生徒たちの健康状態を確認しています。
一方、大阪府教育庁によりますと、府内の支援学校からも、給食の牛乳の味やにおいがおかしいと連絡があったということです。
いまのところ、体調不良の報告はないということです。
牛乳は同じ業者が製造したということで、大阪市教育委員会と大阪府教育庁はこの業者の牛乳の提供を取りやめることにしています。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20211209/2000054874.html(リンク切れ)

投稿者プロフィール

赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)