事件の概要

  • 長野県諏訪市内の中学校で提供された給食の米飯に黒い付着物があったことが判明
  • 米飯は米の加工を行う給食協同組合に委託
  • 調査したところ、米飯は配送中に容器が倒れ、車の床にこぼれたもので、3クラス分、手袋をつけて床に面していない部分を容器に戻していたとのこと
  • 異変に気付いた1クラスを含め、およそ80人がこぼれた米を食べたが、これまでに健康被害は確認されず
  • 組合は市に対し、「衛生に関する意識や速やかに報告することへの意識が低かった」などと話している

コメント(課題・問題点・防止策等)

  • 現場の担当者の衛生意識と組織としての対応の周知徹底がポイントになると思います
  • 配送中に異物が混入する事故というのは過去にもあり、これぐらいだったら大丈夫だという油断が招いたものかもしれません
  • この件に限らず、何もなかったから表に出ていないという事例もあるのではと思います
  • 現場の衛生意識もありますが、組織として、運搬中に事故があった場合に、どう連絡し対応するのかということを、予め周知徹底することが重要です
  • 現場の担当者は、報告すれば叱責を受けたり迷惑をかけたりするというブレーキがあり、何とかすればいけるのではと思ってしまいます
  • また、運搬時の容器の固定をマニュアル通りにしていなかったとかもあるかもしれません
  • 最終的に、生徒が食べてしまった可能性があるのは残念です
  • ちなみに、少なからず廃棄した分があるのであれば、約束した量の納品ができていないわけで、これは契約違反や債務不履行等にも抵触するかもしれません

ニュース記事の紹介

※下記に紹介している記事や動画は時間の経過とともに削除される場合がありますのでご了承ください。また、新しいニュースがあれば追加します。

【長野放送】給食のご飯に黒い付着物 約80人が食べる…配送中に車内にこぼれたものを提供 業者への委託を停止 5月10日

給食のご飯に黒い付着物 約80人が食べる…配送中に車内にこぼれたものを提供 業者への委託を停止
5月10日(火) 20:08

長野・諏訪市の中学校の給食で配送中に車内にこぼれた米飯が提供されていたことが判明し、市が提供した業者への委託を停止していることがわかりました。

諏訪市教育委員会によりますと、4月27日、市内の中学校に提供された給食の米飯に黒い付着物があるなどの異変があり、学校が米の加工を行う諏訪給食協同組合に原因究明を要望しました。

組合は翌日午後になって、米飯は配送中に容器が倒れ、車の床にこぼれたものと報告。3クラス分、手袋をつけて床に面していない部分を容器に戻していたということです。

異変に気付いた1クラスを含め、およそ80人がこぼれた米を食べていますが、これまでに健康被害は確認されていません。

教育委員会は報告後すぐに組合に緊急査察に入り、原因や改善策などを提出するよう指示しました。

組合は市に対し、「衛生に関する意識や速やかに報告することへの意識が低かった」などと話しているということです。

市教育委員会は「不適切な対応をした組合から米飯の提供を受けることはできない」として、5月2日から市内の小中学校10校全て別の業者から調達する一方、今後の業者の選定について協議するとしています。

https://www.nbs-tv.co.jp/news/articles/2022051000000012.php(リンク切れ)

投稿者プロフィール

赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)