事件の概要

  • 3小学校で給食のパンにゴキブリの脚が混入していた
  • 3小学校で児童がパンの中の黒っぽい異物に気づいた。児童3人はいずれもこのパンを口に入れていなかった。
  • 異物が混入したパンは各校1個ずつ計3個あり、いずれも同一個体のクロゴキブリ(検査会社を通じて調査)の左脚が、2.5センチ、1.1センチ、9ミリに分かれてそれぞれ混入したことが判明
  • パンの製造工程で混入したとみて、業者の納入を停止し、立ち入り検査を行い、10項目について衛生面の改善を求めた
  • 製パン事業者は、この3校を含め計15小学校に給食用パンを納入

コメント(課題・問題点・防止策等)

  • おそらく大きなゴキブリが丸ごと入って練り込まれてしまったということでしょう。発見された3個だけでなく、もっと多くのパンに混入していたことが想定されるので、気づかずに食べてしまった児童もいると思います。
  • コッペパンをちぎって食べていたときに発見ということですので、ちぎった時に黒っぽいものが見えたのでしょう。普通はちぎらずにそのままぱくっと口に入れてるような気がしますが、別々の3つの小学校で発見したのも、すごいタイミングと偶然かもしれません。
  • 発見された時点で、給食のパンを食べるのを継続するのか中止するのか時間が迫る中難しい判断になります(まず間に合わない)。
  • 今回の事例では、機械の中に最初から入っていたのか、小麦粉の中、もしくは保管庫に入っていたのか、作業中に入ったのかなど、いつどこで混入したのか分かりません。気づかないうちに混入し、製造中にも黒っぽい異物に気が付かずに、焼きあがってしまったのでしょう。
  • 納入業者の衛生管理に頼るしかありませんが、大きな工場の衛生管理は建物の古さや環境も関係するので、なかなか難しいかもしれませんね。
  • さて、過去の事例では、パンにビニールが練り込まれていたというのありました。こちらは持ち込んだビニールが混入した可能性が高いのでヒューマンエラーに近い混入ですね。

【参考】同種事例(パンにビニール片が混入)

保育園の給食、パンの中からビニール片 愛知・豊川市(中京テレビ 2020/1/23)

ニュース記事の紹介

※下記に紹介している記事や動画は時間の経過とともに削除される場合がありますのでご了承ください。また、新しいニュースがあれば追加します。

【神戸新聞】学校給食のパンにゴキブリ混入 加古川の3小学校、脚1本が3分割か 児童が発見、他は食べるの止めず

2022/10/24 15:55神戸新聞NEXT

学校給食のパンにゴキブリ混入 加古川の3小学校、脚1本が3分割か 児童が発見、他は食べるの止めず

 兵庫県加古川市教育委員会は24日、市立3小学校で18日に出された給食のパンにゴキブリの脚が混入していたと発表した。児童がパンをちぎった際に見つけた。製パン業者は同日、8小学校を含め市教委管轄の10施設に計約3800食を納入したが、体調不良者はいないという。

 市教委学務課によると、混入していたのはクロゴキブリの脚で大きさは9ミリ、11ミリ、25ミリ。同じ個体の脚1本が、三つに分かれていたとみられるという。

 いずれも児童が担任教諭に伝えたが、3校とも他の児童が給食を食べるのを止めなかった。理由について、同課は「その場では異物が何かは分からなかった」としている。

 パンの中から見つかったことから、製造工程で混入した可能性が高いとみられる。この製パン業者は15小学校を含む計17施設のパンを製造しており、市教委は納入を停止。別の業者のパンを給食で提供している。

 市教委は20日、業者の工場に立ち入り検査。衛生面を確かめ、工場入り口に前室を設けることや、パン生地の容器にふたを付けることなどを求めた。再発防止が確認されるまで、納入は再開しないという。

 市教委は3校の保護者らに経緯を説明した文書を配布し、謝罪した。

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202210/0015750140.shtml

【読売新聞】給食パンの中にゴキブリの脚、市立小3校で児童らが発見…17施設に7900食提供 2022/10/25

給食パンの中にゴキブリの脚、市立小3校で児童らが発見…17施設に7900食提供
2022/10/25 06:53

 兵庫県加古川市教育委員会は24日、市立小学校3校で給食用パンにゴキブリの脚が混入していたと発表した。市教委はパンの製造工程で混入したとみて、業者の納入を停止し、立ち入り検査を実施した。体調不良などを訴える児童はいないという。

 市教委によると、パンは市内の業者が今月18日に製造。この日、市内の3小学校で児童がパンの中の黒っぽい異物に気づいた。学校から連絡を受けた市教委が検査会社を通じて調査したところ、クロゴキブリの脚とわかった。

 市教委は、発見した児童たちの家庭に謝罪。3小学校の保護者らにも文書で経緯などについて説明する一方、製パン業者の納入を停止して立ち入り検査を行い、10項目について衛生面の改善を求めた。

 市教委によると、製パン業者は市内の15小学校を含む17施設に約7900食を提供している。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20221025-OYT1T50116/

【産経新聞】給食のパンにゴキブリ 児童が見つける 兵庫・加古川
2022/10/24

給食のパンにゴキブリ 児童が見つける 兵庫・加古川
2022/10/24 22:55

兵庫県加古川市立小学校で給食に出されたパンにゴキブリの脚の一部が混入していたことが分かり、同市教育委員会が24日発表した。市教委はこのパンの製造事業者からの納入を停止した。

市教委の説明によると、市内の3小学校で18日の給食中、コッペパンの中に異物が入っているのを、食べようとしていた児童が見つけた。

各校からの連絡で市教委が調べたところ、異物が混入したパンは各校1個ずつ計3個あり、いずれも同一個体のクロゴキブリの左脚が、2・5センチ、1・1センチ、9ミリに分かれてそれぞれ混入したことが判明。児童3人はいずれもこのパンを口に入れていなかった。

市教委は、発見の経緯などからパンの製造過程で混入したと断定。製造した市内の製パン事業者は、この3校を含め計15小学校に給食用パンを納入しており、市教委は、この業者が再発防止などの対策を講じたことが確認できるまで納入しないとしている。

https://www.sankei.com/article/20221024-OZ24YQKQUNPHFDVBVBP5KXNYL4/

投稿者プロフィール

赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)