事件の概要
- 中学校で提供された学校給食の「そぼろ煮」に、直径約8ミリのリベットが混入
- リベットは学校給食センター内の大釜で煮炊きする際に使われる計量棒(長さ約35センチ、幅約4センチ)上部の留め具の一つで、使用中に経年劣化により折れて混入
- 教諭が職員室で副菜の「そぼろ煮」を食べたところ、違和感を覚えて吐き出した
- 学校給食センターでは5校の中学校向けに一括調理
コメント(課題・問題点・防止策等)
- このような留め具の経年劣化を事前に発見するのは難しいかもしれません。今後の定期点検の項目に入れるといいかも。
- たまたま、調理中にリベットが振動等で外れておかずの中に入って、気づいて、調べたら、リベットが外れていた、ということです。1センチ近くあるので気づくと思いますが、もし、気づかずに飲み込んでしまうかもしれません。また、調理中以外のときに脱落して分からないままということがあるかもしれません。そういういろんな要素が重なって混入して発見され原因が特定されたといいうことです。
- 生徒ではなく教諭のおかずだったことが、ある意味救われたかもしれません。
- 気になるのは、発見された時が給食中だったら、そのまま食べ続けるのか、給食を中止(当該おかずのみ)するのかという判断です。ネジ類は単発事故の可能性が高いですがペアになっているものや数か所あるものだったら、ほかにも混入している可能性もありますし、また、汚れた金属が入ったわけですので、全体として衛生的とはいえなくなるといえばそうです。実務対応としては悩ましいかもしれませんね。
- 【再発防止策】この計量棒って、設備ではなく器具ですよね。おぞらく釜のふちに引っ掛けて使用するのかな。器具であれば、使用前後に目視でチェックするという項目があるのだと思いますが、外れないはずのリベットの経年劣化を発見するのは難しいかもしれません。例えば年に1回重点的にリベットが劣化していないか(ぐらぐらしていないか)というチェック項目を入れておくとかになりますが、そこまで細かいのはないかもしれません。
- 今回の事例を知っておくと、みなさまが使用する器具でもちょっと確認してみようというきっかけにはなるかなと思います。ちなみに、留め具のない計量棒を使用するというのが、根本的な対策になります。いろいろ調べてみましたが、単なる抗菌棒タイプはあるのですが引っ掛けるところがあるのが発見できませんでした。もしかすると、今は使われていない計量棒かな?
計量棒から外れて混入したリベット
ニュース記事の紹介
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【神奈川新聞】綾瀬市立中給食にリベット混入 職員室で食べた教諭が発見 2022年10月24日
綾瀬市立中給食にリベット混入 職員室で食べた教諭が発見
異物混入
給食
教育委員会
政治・行政 | 神奈川新聞 | 2022年10月24日(月) 19:14綾瀬市は、21日に市立春日台中学校(同市吉岡)で提供された学校給食に、リベット(直径約8ミリ)が混入していたと発表した。学校給食センター(同市小園)内の大釜で煮炊きする際に使われる計量棒(長さ約35センチ、幅約4センチ)上部の留め具の一つで、使用中に経年劣化により折れて混入した。健康被害はないという。
市教育委員会によると、21日午後0時45分ごろ、同校教諭が職員室で副菜の「そぼろ煮」を食べたところ、違和感を覚えて吐き出した。今回の計量棒を使用したそぼろ煮は同センターで同日、計5校の中学校向けに一括調理された。
https://www.kanaloco.jp/news/government/article-945437.html
投稿者プロフィール
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◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)