事件の概要

  • 介護老人保健施設
  • 昼食を食べた入所者41人のうち50代から90代までの男女14人に、下痢やおう吐などの食中毒症状
  • 病因物質は黄色ブドウ球菌
  • 原因食品は「卵グラタン」
  • ミキサーで食事をのみ込みやすくした嚥下食のうち、卵グラタンを作る過程で、菌が混入したとみられるとのこと
  • 施設に入っている給食業者を1日間の営業停止処分
  • 患者が1人死亡しているが、食中毒との因果関係は不明

コメント(課題・問題点・防止策等)

  • いまどき、黄色ブドウ球菌の食中毒はあまりないんだけど
  • 黄色ブドウ球菌は、人の手指などを介して食品に菌が付着することが一般的であるから(つまり2次汚染)
  • 原因食品である「卵グラタン」は加熱して提供するので、すでに黄色ブドウ球菌に汚染され、菌が増殖して耐熱性の毒素を産生していたか、加熱調理後に菌が付着した可能性がある。ニュースでは、「ミキサーで食事をのみ込みやすくした嚥下食のうち、卵グラタンを作る過程で、菌が混入したとみられる。」とある、いまいちイメージできないなあ
  • 検食を残していたことで検査ができたと思われる(ここはしっかりしている)※検査に1週間かかったとのこと
  • ただ、黄色ブドウ球菌の食中毒はプロの給食専門業者としては恥ずかしい事例かも
  • 日常的な衛生管理や保健所の衛生指導で、ふき取り検査をしたりするが、黄色ブドウ球菌が検出されるのは、施設が人の手指によって汚染されている目安になるので、清掃・手洗いの徹底等が必要となる

ニュース記事の紹介

※下記に紹介している記事や動画は時間の経過とともに削除される場合がありますのでご了承ください。また、新しいニュースがあれば追加します。

【ANN】介護施設で食中毒 たまごグラタンに黄色ブドウ球菌(2021年9月9日)2021/09/09

介護施設で食中毒 たまごグラタンに黄色ブドウ球菌
[2021/09/09 17:35]

 介護施設で食中毒が発生し、1人が亡くなりました。

 今月2日、金沢市の介護老人保健施設から「複数の入所者に下痢や嘔吐(おうと)などが出ている」と金沢市保健所に連絡がありました。

 保健所が調べたところ、前日に施設で昼食に出た「たまごグラタン」などから黄色ブドウ球菌が検出され、食中毒と断定しました。

 入所者14人が食中毒の症状を発症し、このうち1人は2日に亡くなったということです。

 現時点では食中毒との因果関係は分かっていません。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000228388.html

【テレビ金沢】介護施石川県金沢市の介護老人保健施設で食中毒 14人が症状訴えこのうち1人が死亡 2021/09/09

石川県金沢市の介護老人保健施設で食中毒 14人が症状訴えこのうち1人が死亡
石川 2021.09.09 16:07

石川県金沢市の介護老人保健施設に入所している14人が食中毒の症状を訴えていたことがわかった。今のところ食中毒との因果関係は不明だが、そのうち1人が亡くなっている。

金沢市保健所によると、集団食中毒が発生したのは介護老人保健施設「千木町ケアセンター」だ。

9月2日、入所者に給食を提供する事業者から「複数の入所者が下痢、嘔吐などの症状を発症している」という申し出があった。

食中毒の症状を訴えたのは、50代から90代の男女14人で、うち2人が入院。食中毒との因果関係は不明だというが、そのうち1人が死亡した。そのほかの人は全員回復傾向にあるという。

食中毒の原因となった食品はこの施設で調理・提供された「卵グラタン」で、複数の患者の便などから黄色ブドウ球菌が検出されたため、保健所では食中毒と断定した。

http://www.tvkanazawa.co.jp/nnn/news103623x3owg1ucxgeer.html
  • リンク先に動画ニュースあり

【北國新聞】14人食中毒、1人死亡 金沢・千木町ケアセンター 給食から黄色ブドウ球菌 2021年9月9日

14人食中毒、1人死亡 金沢・千木町ケアセンター 給食から黄色ブドウ球菌
2021/9/9 16:00

 金沢市保健所は9日、同市千木町の介護老人保健施設千木町ケアセンターで、1日に給食を食べた50~90代の男女14人が食中毒の症状を訴えたと発表した。2人が入院し、うち1人が翌2日に亡くなった。食中毒との因果関係は不明。患者の便と給食から黄色ブドウ球菌が検出され、市は提供したニチダン千木町ケアセンター店に対し、9日の1日間の営業停止を命じた。

 市保健所によると、1日に同施設で昼食を食べた入所者41人のうち14人が下痢、嘔吐(おうと)、発熱の症状を訴えた。

 市内で過去30年間に食中毒が原因で死亡したケースはない。入院したもう1人の入所者は快方に向かっており、そのほかの12人は症状が治まっている。

 市保健所は同店で調理し、給食に出された卵グラタンと入所者の便から検出された黄色ブドウ球菌の型が一致したことから、卵グラタンを原因食品と断定した。原因物質を特定するための細菌検査とウイルス検査に1週間程度を要した。

 市内で今年度、食中毒は4件発生し、黄色ブドウ球菌を原因とする食中毒は初めて。黄色ブドウ球菌は耐熱性が高く、通常の加熱調理では無毒化できない。市保健所は食品加熱後の衛生管理や手指の消毒の徹底を呼び掛けている。

  死亡は70代女性 給食提供のニチダン「深くおわび申し上げる」
 ニチダンによると、入院した入所者2人のうち、70代女性が誤嚥(ごえん)性肺炎による呼吸不全のため死亡した。もう一人の90代女性は現在も入院している。ニチダン総務部人事課顧問の畑中賢一氏は「故人のご冥福を心からお祈りし、深くおわびを申し上げる」とコメントした。

 ミキサーで食事をのみ込みやすくした嚥下(えんげ)食のうち、卵グラタンを作る過程で、菌が混入したとみられる。センターの事業所は昨年4月から委託を受けて食事を提供しており、センター内の調理場で作ったものを各フロアの食堂に配っていた。現在は10人ほどが働いている。

 千木町ケアセンターによると、センターには介護が必要な50~100歳代の約150人が入所する。利用者は1日の夕食後から夜にかけて嘔吐(おうと)や下痢の症状が出て、ニチダンに連絡したという。

  センター事務長「怒り心頭」
 4日の昼食以降、センター内の事業所での調理提供は停止され、別店舗の食事を提供している。センターの小西喜夫事務長は「あってはならないことで怒り心頭だ」と語気を強めた。

【石川テレビ】黄色ブドウ球菌を検出…介護施設で入所者14人が食中毒症状 2人入院し1人が死亡 因果関係不明 2021年9月9日

黄色ブドウ球菌を検出…介護施設で入所者14人が食中毒症状 2人入院し1人が死亡 因果関係不明
09/09(木) 17:41
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 金沢市内の介護老人保健施設で食中毒が発生し入所者14人が発症、このうち1人が死亡しました。

 9月2日、金沢市の介護老人保健施設千木町ケアセンターから「今月1日の夕方から複数の入所者が下痢や嘔吐などの症状を発症している」と金沢市保健所に連絡がありました。

 調査の結果、50代から90代の男女14人が食中毒の症状を訴え、患者の便などから黄色ブドウ球菌を検出しました。

 原因となったのは9月1日に施設で出された玉子グラタンです。

(リポート)
「食中毒の症状を訴えた入所者14人のうち、1人が死亡していたことがわかりました。食中毒との因果関係はわかっていません」

 保健所によりますと2人が入院し、このうち1人が誤嚥性肺炎による呼吸器不全で2日に死亡しました。食中毒との因果関係はわかっていません。

 食事を提供した業者・ニチダンは「この度の事態を厳粛に受け止め一層に衛生管理体制の強化に全力を上げて取り組んで参ります」とコメントしています。

https://www.ishikawa-tv.com/news/itc/00242955

【MRO北陸放送】金沢のケア施設給食から黄色ブドウ球菌 1人死亡、関連調べる 2021年9月9日

【NHK石川 NEWS WEB】金沢の介護施設で集団食中毒 金沢市が給食業者を営業停止処分ウエルシュ菌検出、増殖する環境は 2021年9月9日

石川 NEWS WEB
金沢の介護施設で集団食中毒 金沢市が給食業者を営業停止処分
09月09日 21時17分

金沢市の介護老人保健施設で、男女14人がおう吐や下痢などの症状を訴え、「黄色ブドウ球菌」が検出されたことから、金沢市はこの施設で提供された食事が原因の食中毒と断定し、施設に入っている給食業者を9日、1日間の営業停止処分にしました。

金沢市によりますと、9月2日、市内の介護老人保健施設「千木町ケアセンター」で「複数の入所者に下痢やおう吐などの症状が出ている」と連絡がありました。
保健所が調べたところ、施設で提供された食事を食べた41人のうち50代から90代までの男女14人に、下痢やおう吐などの症状があり、複数の患者の便から「黄色ブドウ球菌」が検出されたということです。
このため市では、施設で提供された食事が原因の食中毒と断定し、施設に入っている給食業者の「ニチダン千木町ケアセンター店」を9日、1日間の営業停止処分にしました。
市によりますと、症状を訴えた14人のうち、入院した1人は食中毒との関係は特定できていないものの、死亡したということです。
このほかの13人については、すでに回復したか、回復に向かっているということです。
金沢市では、食品を調理する際は、手や指の消毒を徹底し、加熱後の食品は10度以下で保存するなど、食中毒の予防を呼びかけています。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/kanazawa/20210909/3020009188.htmll

投稿者プロフィール

赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)