事件の概要

  • 食品表示法に基づく基準では大豆を原材料に含まないと「みそ」と表示することはできない
  • 南予伝統の「麦みそ」は、麦と塩だけで作る伝統食品
  • 大豆を使用していないということで、3つの業者を食品表示法違反で口頭指導
  • 【続報】食品表示法には違反しているが、景品表示法については「保留」となった
  • 【続報】景品表示法違反の優良誤認について、「景品表示法を厳しく解釈していたが、総合判断した結果、解釈を変更し、指導を取り消すことになった」とのこと

コメント(課題・問題点・防止策等)

  • みその基準は、「大豆若しくは大豆及び米、麦等の穀類を蒸煮したものに」とあるので、「大豆及び米、麦等の穀類」とあるので、大豆だけか、大豆に穀類をくわえたものになるので、麦だけでは「みそ」とはならないということです。
  • 食品表示基準に合致していないのであれば、すぐに是正するのが正しい判断であり、これまでは間違った認識(表示違反)のまま経過していた(もしくは黙認されていた)だけかもしれません。
  • 食品表示基準を見ると、「麦みそ」や「みそ」と表示できないことになりますので、当該店舗もいろいろ模索していることですし、新たな食品として特徴的な名称を考えればいいのではないでしょうか。そして、食品表示法や景品表示法などの誤認表示とならないように表現すれないいのではないでしょうか。
  • また、伝統食材としての「麦みそ」という名称を残すかどうかという話は食品表示法とは別の話で、ある意味、地域の政治的な判断になると思います。
  • このような場合は、行政を敵にしてはいけません。国が定めた商品表示法の範疇を越える判断を求めていくわけですから、保健所ではできるものではありません。保健所でできることは国に照会して国の判断を確認するぐらいです。保健所以外の農水部局、観光部局、地域振興部局などの理解を求め、味方にして、良い方向に進むようにお願いしていくものです。

【続報について】

  • 食品表示法と景品表示法の違反の考え方の違いで再考の余地があるということでしょう。
  • 食品表示法は厳格に基準が決まっているのに対して、景品表示法は消費者が受ける印象をもとに違反かどうかを決めることになっています。つまり、消費者の多くが「著しく誤認」するかどうかが判断基準になります。
  • 「麦みそ」が食品表示法上の「みそ・麦みそ」ではないということを消費者がわかっていたうえでの伝統食品としての「麦みそ」の名称であれば誤認はしない余地があるということでしょう。
  • おそらく、ラベルの「麦みそ」に規格上のみそではないことを分かりやすく表示することで、景品表示法での違反の方は逃れる可能性があるということかもしれません。例えば、「かにかまぼこ」をイメージできるのではないでしょうか。国の通知までいくのか、県の裁量になるのかは、これからの話なると思います。
  • 例えば、「みそ」だと思って買ったのに「みそ」ではなかった。おかしいのではないか?
    ➡多くの消費者がこう思えば景品表示法の優良誤認表示になる可能性はある。
    一方、「みそ」じゃないとしても、昔から「みそ」として使ってきたから、「みそ」でもいいのではないの?
    ➡多くの消費者がこう思えば景品表示法の優良誤認表示にはならない可能性はある。
    ※地方の限られた地域だけの話であれば通りやすいかもしれませんが、通販等で全国的に流通しているなら事情は違ってくるかもしれません。
  • 景品表示法の条文と考え方を下記で紹介しています。
  • 今回の案件は、感情的に物事を語るのではなく、法治国家であるので、食品表示法と景品表示法の違いを理解したうえで、客観的に見ていくといいのではないでしょうか。

【続報について】

  • 景品表示法の優良誤認表示には当たらないと判断して指導を取り消したということです。
  • 要は、「みそ」ではないけど、それを買った・食べたからといって、通常の「みそ」と比較して著しく優良とまで誤認するほどの差はないということですね。
  • 食品表示法違反から端を発した景品表示法違反については、地域にとってはありがたい判断が出たということですね。ただし、何らかの説明表示は必要だと思いますので、調整が必要になるのではないでしょうか。
  • 周りは首根っこをとったように批判していますが、もともとは「食品表示法」に違反しているという事実を忘れてはいけません。こちらは明確に違反しています。新たに基準等が改正されない限り、現時点では、違反しているということです。
  • 景品表示法自体は実際に措置命令がされるときには、違反していないという説明をすることになります(不実証広告規制)。そのやり取りは頻繁にあるので、今回も、その解釈を検討しただけのことだと思います。
  • 景品表示法違反疑い➡事業者に説明を求める➡その結果違反ではないと判断、というプロセスです。ただ、今回は先に説明を求めたのではなくて、指導したといところが問題になったのかもしれません。
  • 偏った考え方にならないように法律を正しく理解してほしいと思います。

食品表示法・食品表示基準・抜粋

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食品表示法等(法令及び一元化情報)

内閣府令(表示の基準に関するもの)
・食品表示基準
統合版 [PDF:2.4MB]

https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/

食品表示基準
(横断的義務表示)
第三条 食品関連事業者が容器包装に入れられた加工食品(業務用加工食品を除く。以下この節において「一般用加工食品」という。)を販売する際(設備を設けて飲食させる場合を除く。第六条及び第七条において同じ。)には、次の表の上欄に掲げる表示事項が同表の下欄に定める表示の方法に従い表示されなければならない。ただし、別表第四の上欄に掲げる食品にあっては、同表の中欄に掲げる表示事項については、同表の下欄に定める表示の方法に従い表示されなければならない。

名称1 その内容を表す一般的な名称を表示する。ただし、乳(生乳、生山羊乳、生めん羊乳及び生水牛乳を除く。以下同じ。)及び乳製品にあっては、この限りでない。
2 1の規定にかかわらず、別表第五の上欄に掲げる食品以外のものにあっては、それぞれ同表の下欄に掲げる名称を表示してはならない。

別表第五(第三条関係)

食品食品名称
みそ米みそ米みそ
麦みそ麦みそ
豆みそ豆みそ
調合みそ調合みそ

別表第三(第二条関係)

食品用語定義
みそみそ次に掲げるものであって、半固体状のものをいう。
一 大豆若しくは大豆及び米、麦等の穀類を蒸煮したものに、米、麦等の穀類を蒸煮してこうじ菌を培養したものを加えたもの又は大豆を蒸煮してこうじ菌を培養したもの若しくはこれに米、麦等の穀類を蒸煮したものを加えたものに食塩を混合し、これを発酵させ、及び熟成させたもの
二 一に砂糖類(砂糖、糖蜜及び糖類をいう。)、風味原料(かつおぶし、煮干魚類、こんぶ等の粉末又は抽出濃縮物、魚醤油、たんぱく加じよう水分解物、酵母エキスその他これらに類する食品をいう。以下別表第四のみその項において同じ。)等を加えたもの
麦みそこの表の中欄に掲げるみそのうち、大豆を蒸煮したものに、大麦又ははだか麦を蒸煮してこうじ菌を培養したもの(以下みその項において「麦こうじ」という。)を加えたものに食塩を混合したものをいう。

別表第四(第三条関係)

食品表示事項表示の方法
みそ名称米みそにあっては「米みそ」と、麦みそにあっては「麦みそ」と、豆みそにあっては「豆みそ」と、調合みそにあっては「調合みそ」と表示する。ただし、風味原料を加えたものであって、風味原料の原材料及び添加物に占める重量の割合が調味の目的で使用される添加物の原材料に占める重量の割合を上回るものにあっては、「米みそ」等の文字の次に括弧を付して、「だし入り」と表示する。
原材料名使用した原材料を、次の一及び二の区分により、原材料に占める重量の割合の高いものから順に、それぞれ一及び二に定めるところにより表示する。
一 原料は、「大豆」、「米」、「大麦」、「はだか麦」、「とうもろこし」、「脱脂加工大豆」、「小麦」、「食塩」等とその最も一般的な名称をもって、原材料に占める重量の割合の高いものから順に表示する。ただし、「調合みそ」であって、「米みそ」、「麦みそ」又は「豆みそ」を二種類以上混合したものにあっては、「米みそ」、「麦みそ」又は「豆みそ」と原材料に占める重量の割合の高いものから順に表示し、その文字の次に括弧を付して、当該みそに使用した原料の名称を原材料に占める重量の割合の高いものから順に表示する。
二 原料以外の原材料にあっては、「砂糖」、「水あめ」、「かつおぶし粉末」等とその最も一般的な名称をもって、原材料に占める重量の割合の高いものから順に表示する。

【参考】みその表示に関する公正競争規約

全国味噌工業協同組合連合会

規約集
内閣府令施行(平成23年9月1日)並びに改正みそ品質表示基準が平成23年11月1日に施行されましたので、みそに関する公正競争規約集を作成しました。(平成24年11月)
「みその表示に関する公正競争規約」
・「みその表示に関する公正競争規約施行規則」
・「みそ業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約」
・「みそ業における景品類の提供の制限に関する公正競争規約施行規則」
・『公正マーク』について(パンフレット)

https://zenmi.jp/miso_koutorikyo.html

景品表示法の優良誤認表示(著しく優良とは?)

不当景品類及び不当表示防止法
(不当な表示の禁止)
第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
二(以下省略)

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Q10
景品表示法第5条第1号では、「著しく優良であると示し」とありますが、「著しく」とはどの程度のことを指すのでしょうか。
A
「著しく優良であると示す」表示に当たるか否かは、業界の慣行や表示を行う事業者の認識により判断するのではなく、表示の受け手である一般消費者に、「著しく優良」と認識されるか否かという観点から判断します。また、「著しく」とは、当該表示の誇張の程度が、社会一般に許容される程度を超えて、一般消費者による商品・サービスの選択に影響を与える場合をいいます。

(参照)
「不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項の運用指針」(平成15年10月28日公正取引委員会)[PDF: 164KB]

https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/faq/representation/#q10

「不当景品類及び不当表示防止法第7条第2項の運用指針」(平成15年10月28日公正取引委員会) 2ページ

2 景品表示法第5条第1号により禁止される表示
(1) 景品表示法第5条第1号は、商品・サービスの品質、規格その他の内容(以下「商品・サービスの内容」という。)について、一般消費者に対して実際のものよりも著しく優良であると示すこと、又は一般消費者に対して事実に相違して当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示すことにより、不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示を不当表示として禁止している。
(2) 景品表示法による不当表示の規制は、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者の適正な商品・サービスの選択を確保することを目的として行われるものであり、「著しく優良であると示す」表示に当たるか否かは、業界の慣行や表示を行う事業者の認識により判断するのではなく、表示の受け手である一般消費者に、「著しく優良」と認識されるか否かという観点から判断される。また、「著しく」とは、当該表示の誇張の程度が、社会一般に許容される程度を超えて、一般消費者による商品・サービスの選択に影響を与える場合をいう。
 すなわち、商品・サービスの内容について、実際のものよりも著しく優良であると示す又は事実に相違して当該事業者と競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示とは、一般消費者に対して、社会一般に許容される誇張の程度を超えて、商品・サービスの内容が、実際のもの等よりも著しく優良であると示す表示である。このような表示が行われれば、一般消費者は、商品・サービスの内容について誤認することになる。
 なお、「著しく優良であると示す」表示か否かの判断に当たっては、表示上の特定の文章、図表、写真等から一般消費者が受ける印象・認識ではなく、表示内容全体から一般消費者が受ける印象・認識が基準となる。

https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/guideline/pdf/100121premiums_34.pdf
目次

【希少映像】日本一の麦味噌屋に密着!宇和島 安岡蒲鉾

ニュース記事の紹介

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【テレビ愛媛】南予伝統の「麦みそ」が「みそ」を名乗れない…突然の行政指導に業者も住民も困惑「変わらぬ味を」【愛媛】 (22/10/28 20:30)

南予伝統の「麦みそ」が「みそ」を名乗れない…突然の行政指導に業者も住民も困惑「変わらぬ味を」【愛媛】


南予でおなじみの麦みそ。

この伝統の麦みそが今、「みそ」を名乗れなくなる事態になっています。

26日、あるツイートがつぶやかれました。

ツイート:
「当店の麦味噌が『味噌』と名乗れなくなりそうです」

このつぶやきは、これまでに5万件もリツイートされています。

ツイートへの返信:
「愛媛にしか残っていない貴重な文化遺産だと思うので、どうか残していってほしいと思います」
「麦味噌は麦味噌ですものね。ルールを新しく決めたからといって、本来あるものを変えようとするのはおかしいですね」

多くの応援コメントも寄せられているこのツイート。

つぶやいたのは宇和島市で60年以上、麦みそを作り続けている「井伊商店」です。

井伊商店3代目・井伊友博さん:
「(県の保健所から)急に8月末にそういうことを言われまして、もうびっくりしているところで、そして納得がいかないので、こういう状態では納得いかないというのをみんなに知ってもらいたいなと」

地元のさまざまな特産品が並ぶ道の駅、井伊商店の麦みそもあります。

内木敦也キャスター:
「このみそってご存じですか」
道の駅を訪れた人:
「井伊のみそでしょ。私、使ってます。いつもここに買いにきます」

道の駅を訪れた人:
「南予では麦みそが昔から通常なので、私はこのみそ汁じゃないと、ちょっと食べられないというか」
内木敦也キャスター:
「これから『みそ』って名乗れなくなるらしいんですよ」
道の駅を訪れた人:
「えっ、そうなんですか。全然知らなかった。どうしたらいいんですかね。戸惑います、本当に」

愛媛県によりますと、食品表示法に基づく基準では大豆を原材料に含まないと「みそ」と表示することはできません。

つまり、昔ながらの製法にこだわって、麦だけで作った井伊商店の「麦みそ」は「みそ」を名乗れないというのです。

海外での和食人気の高まりとともに、みその輸出量は右肩上がりに。

日本のみそを真似た粗悪な商品が売られるのを避けるため、農林水産省は今年3月にJAS規格でみそを定義するなど対策を強めています。

こうした中、今年8月、愛媛県宇和島保健所は原材料に大豆を使っていない市内3つの業者を食品表示法違反で口頭指導しました。

「納得できない」として、3社は愛媛県に要望書を出しましたが…。

井伊商店3代目・井伊友博さん:
「きのうお昼に電話がありまして『(県)としても法律に従うしかないから、裁量の余地はない』と言われました。指導が来るとしたら規約ができた時とか、もっと前から言ってくれとったら。今さら…。どうしていいか分からんすね」

全国的にも注目されている井伊商店の麦みそ。

発酵食品に詳しい料理研究家も驚きを隠せません。

発酵料理家・村上友美さん:
「『麦みそ』としてなじんでいたので、今回のお話、ちょっとびっくりしました。ご苦労されて守ってこられた製法ですので、それは言えば、地域の愛媛の文化、食文化でもありますので。そういうものの名前が急に変わってしまうというのは非常に残念なことでもある」

井伊商店3代目・井伊友博さん:
「『みそ』と呼べなくなったとしても、それで売っていくつもりですね。でも、商品のパッケージに『みそ』っていう2文字が書けないことになってしまうと、消費者こそ困惑すると思うんです。でも、一番は今と変わらぬ味を作ることだと思うんで、今のままの味でやっていこうと思います…」

3代で守り抜いた味を変えることはできない。

井伊さんは味も名前もともに残せる方法を探しています。
10月28日 20:30

https://www.ebc.co.jp/news/data/?sn=EBC2022102811035

【ANN】「味噌」名乗れない?「宇和島麦みそ」存続に危機感(2022年10月28日)

「味噌」名乗れない?「宇和島麦みそ」存続に危機感[2022/10/28 22:30]

 近年、世界的にも注目度が高くなっている「和食」。しかし今、日本の食文化の一つが、存続の危機を迎えています。それは、宇和島麦みそ。

 井伊商店ツイッター:「当店の麦味噌が『味噌』と名乗れなくなりそうです。当店は創業昭和33年、当時から製法は変えておりません」

 そう訴えたのは愛媛県宇和島市にある老舗麦味噌メーカー、井伊商店。

 「麦みそ」とは麦と塩だけで作る伝統食品で、昔から、宇和島の人々に家庭の味として長く愛され続けています。

 井伊商店は、昭和33年の創業から製法を変えずに、伝統の味を守ってきたのですが、突然、保健所から指導が入ったのです。実は、井伊商店の麦みそには、あるものが入っていないことが判明したのです。

 宇和島保健所:「原材料に大豆が含まない麦味噌は、麦味噌と表示できません。パッケージにも味噌の2文字は使用できません」

 食品表示基準では、麦みそは「大豆を蒸煮したものに、麦こうじを加えたものに食塩を混合したもの」と規定。

 つまり、麦と塩だけで作る井伊商店の「麦味噌」は大豆を使っていないため、麦みそと認められないというのです。

 この指摘を受け、井伊商店側はこれでは伝統製法が途絶えてしまう、特産品として麦味噌を残してほしいと愛媛県に要望書を提出しました。

https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000273649.html

【読売新聞】伝統食材「麦みそ」、県が「みそ」の商品名は法律違反と指導…老舗メーカー困惑 2022/10/29

伝統食材「麦みそ」、県が「みそ」の商品名は法律違反と指導…老舗メーカー困惑
2022/10/29 20:01

 愛媛県南部の伝統食材「麦みそ」を生産する宇和島市の3業者に対し、県が、商品名に「みそ」や「麦みそ」を使わないよう改善指導した。法律上、商品名に使うには大豆を原料とする必要があるためだ。だが、県は長年、定期検査で違反を見過ごしてきた。半世紀以上、同じ製法で生産してきた業者らは「今さら言われても」と困惑している。
商品名を変えるよう指導され、困惑する井伊商店の井伊友博さん。商品のパッケージや箱には「味噌」と書いている(愛媛県宇和島市で)

 麦みそは、みそと同様にみそ汁など料理の味付けに使われる。麦と大豆などで造られるが、はだか麦の生産量が日本一の愛媛県南部では大豆を使わず、はだか麦と塩だけで造る業者もあるという。

 食品表示法の基準では、みそや麦みそについて、大豆を原料に含むものと定義されている。1974年に作られた規定だ。県は今年7月に実施した添加物の定期検査で、宇和島市の3業者が原料に大豆を使っていないことを把握。商品名にはみそや麦みそを使わず、商品表示を「麦みそ風発酵調味料」などとするよう文書で10月に改善指導した。

 県は数年に1度、添加物の検査を実施しているが、これまでは違反に気づかなかったという。担当者は取材に対し、「検査は添加物に問題がないかを見ていたので、把握できなかった」としている。

 3業者は最も古いもので1918年(大正7年)の創業。主に宇和島市や周辺自治体のスーパーなどで販売され、ネットでの通販も行っている。今月25日には、「昔から同じ製法で造っており、『みそ』と名乗れないことに困惑している。地域の遺産として認めてほしい」とする要望書を県に提出した。

 1958年創業の井伊商店は商品名を「麦みそ」とし、パッケージには「 味噌 」と大きく記している。祖父の代から経営する井伊友博さん(41)は「なぜ今頃指摘されるのか。商品名が変わればお客さんが混乱する」と訴えている。

https://www.yomiuri.co.jp/economy/20221029-OYT1T50142/

【愛媛新聞】「麦みそ」表示 継続ピンチに 県が変更要請、宇和島の業者困惑 2022年10月30日

【テレビ愛媛】愛媛伝統「麦みそ」表示に突然“法律違反”の指導 愛媛県が一転「保留する」 2022年10月31日

愛媛伝統「麦みそ」表示に突然“法律違反”の指導 愛媛県が一転「保留する」
国内
2022年10月31日(月) 20:14

愛媛伝統の「麦みそ」をめぐり、愛媛県の対応に戸惑いの声が上がっています。
愛媛県が突然、生産者に対し「みそ」という表示をやめるよう指導。
その後、一転して指導を保留していることがわかりました。

愛媛県から指導を受けたのは、宇和島市の井伊商店など「麦みそ」を製造している3つの事業者です。
 
井伊商店によりますと、愛媛県が8月以降、原料に大豆を使っていないことを理由に「みそ」という表示が食品表示法などに違反するとして表示をやめるよう指導し、改善報告書の提出を求めたということです。

みそに関する国の基準は以前から設けられていて、県の突然の指導に事業者側が納得できないとして表示を認めるよう求めていました。
 
そして井伊商店によりますと、29日、県の担当者から改善報告書の提出を保留にすると伝えられたということです。

また愛媛県の関係者によりますと、食品表示のルールが定められる前から「麦みそ」を製造・販売している事業者は、表示を継続できるよう調整しているということです。

井伊商店は「当初、県から『法律に従うしかないので裁量の余地がない』と言われショックだったが、ひとまず安心している」とコメントしています。

https://newsdig.tbs.co.jp/articles/itv/192283?display=1

【テレビ愛媛】地域特産の“麦みそ”製造会社に県から突然「景品表示法に違反」その後一転して見解を軌道修正 “麦みそ”表示はどうなる? 2022年11月2日

地域特産の“麦みそ”製造会社に県から突然「景品表示法に違反」その後一転して見解を軌道修正 “麦みそ”表示はどうなる?
国内
2022年11月2日(水) 20:00
愛媛伝統の麦みそをめぐり、愛媛県が突然、生産者に対し味噌という表示をやめるよう指導しました。しかしその後、一転して指導を保留。味噌という商品表示が景品表示法違反にあたるとして表示を改めるよう求めていた愛媛県が、見解を軌道修正しました。

■地域特産の麦みそに突然の“法律違反” 老舗店は「納得できない」
麦みそを製造する井伊商店
愛媛県宇和島市内のみそ店、井伊商店。創業から64年、地域特産の麦みそを作ってきました。しかし突然、その伝統を脅かす事態が…

井伊商店3代目 井伊友博さん
「これもらったときは違うんやないんかなって思いました」

10月に受け取ったのは、愛媛県からの指導文書です。

愛媛県からの指導文書
愛媛県からの文書
「味噌」「麦みそ」と表示することは食品表示基準に違反している。実際のものよりも優良であると示すものであり景品表示法に違反している。

はだか麦と塩を使って製造
井伊商店では昔ながらの原料にこだわり、はだか麦と塩を使って麦みそを製造、販売してきました。しかし国が定めている食品表示基準では、味噌について、大豆を原料に使うものと定義されています。この基準は以前から設けられていましたが、これまで違反だと指摘されたことはありませんでした。

愛媛県が改善報告書を提出するよう指導
しかし、今年7月に行われた保健所の検査で違反が見つかったとして、県が突然、表示をやめるよう求めてきたのです。さらに、11月11日までに改善報告書を提出するよう指導しました。

井伊商店3代目 井伊友博さん
「納得できないですよ」

“麦みそ”表示が続けられるよう県に要望
井伊商店は、麦みその表示が続けられるよう県から同じ指導を受けた2つの事業者と一緒に、先週、県に要望書を提出しました。しかし…

井伊商店3代目 井伊友博さん
「『裁量の余地はありません』と言われて僕らは本当にどうしようかとなって…」

■“法律違反”が一転… 「パッケージは県の裁量で味噌と表示できる可能性がある」
愛媛県が一転 改善報告書提出を「保留」に
しかし先週土曜日、事態は急転。県は、提出を求めていた改善報告書を保留にすると伝えました。
関係者によりますと、国の基準を変えない限り、品名や原材料を記す枠に麦みそと表示するのは難しいとみられますが、パッケージについては県の裁量で味噌と表示できる可能性があることがわかりました。
パッケージには県の裁量で“味噌”の表示ができる可能性
井伊商店3代目 井伊友博さん
「『なにか創業時からの麦と塩で作っているのが証明できるものがあれば見せてほしい』と言われているが、うちも山内商店さんもなくて伊予醸造さんも戦争の時に焼けてしまったらしくて残っていなかった」

井伊商店では、大豆を使わない麦みそが地域で伝統的に作られていたことを証明する歴史資料などを探すことにしています。

井伊商店3代目 井伊友博さん
「すべて地元の麦、愛媛県の麦とここの水で作るというのがこっちの味だと思っているので、今のままの味を伝統の味をずっと守っていきたいという思いです」

【テレビ愛媛】南予の麦みそ 「みそと名乗るな」行政指導を県が一転保留 SNSで大きな反響 「正直ホッと」【愛媛】 (22/11/04 20:50)

南予の麦みそ 「みそと名乗るな」行政指導を県が一転保留 SNSで大きな反響 「正直ホッと」【愛媛】
南予伝統の「麦みそ」が『「みそ」を名乗ってはいけない』と愛媛県から行政指導を受けたされた問題。

愛媛県はその後「内部で検討中」と指導を保留、業者もホッと胸をなでおろしています。

この問題は、宇和島市の井伊商店が自社の麦みその原料に大豆を使っていないため、愛媛県から『「みそ」と表示してはいけない』と指導を受けていたものです。

その後、井伊商店がSNSで現状を訴えたところ大きな反響がありました。

すると、愛媛県は前週末に一転して指導を保留、「事業者にとって一番いい表示方法について、内部で検討している」としています。

井伊商店3代目・井伊友博さん:
「正直ホッとしているところですね。今のパッケージのままいけるのが、本当ベストなんですけど。僕らにとっても県にとってもいい方向に向かって進んでいけたらなと思っています」

伝統の麦みそを守るため、納得できる決着が求められます。
11月4日 20:50

https://www.ebc.co.jp/news/data/?sn=EBC2022110411102

【テレビ愛媛】南予の麦みそに「みそと名乗るな」 県が指導を取り消し 「法を厳しく解釈しすぎた」直接謝罪【愛媛】  (22/11/07 16:15)

南予の麦みそに「みそと名乗るな」 県が指導を取り消し 「法を厳しく解釈しすぎた」直接謝罪【愛媛】
 
愛媛県が南予伝統の「麦みそ」を製造する業者に対し「みそ」と表示しないよう指導していた問題で、県は「法律を厳しく解釈しすぎた」として、一転して指導を取り消しました。

愛媛県などによりますと、11月4日夕方、南予地方局長らが「麦みそ」を製造する井伊商店を訪ね「ご心配をおかけしました」と謝罪。

大豆を使わない「麦みそ」を「みそ」と表示するのは景品表示法の「優良誤認」にあたるとしていた「指導」を取り消しました。

「南予では大豆を使わない麦みそが広く認知されていて、地域の消費者が誤認する可能性は低い」と判断したということです。

指導の取り消しで「麦みそ」と表示できるようになり、井伊商店の井伊友博さんは「ほっとしている。今後は僕らにも県にもいい方向に進んでいけたら」としています。

ただ、愛媛県は食品表示法に基づいて、パッケージの一括表示に「『麦みそ』と表記できない」とした「指導」については取り消しておらず「引き続き協議していく」考えです。
11月7日 16:15

https://www.ebc.co.jp/news/data/?sn=EBC2022110711118

【毎日新聞】「麦みそ」は「みそ」表示でOK 愛媛県が指導取り消し謝罪 2022/11/4

「麦みそ」は「みそ」表示でOK 愛媛県が指導取り消し謝罪
毎日新聞 2022/11/4

 愛媛県が宇和島市に伝わる伝統食品「麦みそ」の老舗店に「みそと名乗るな」と文書で指導していた問題で、県南予地方局が4日夕、一転して、指導を取り消し謝罪した。県南予地方局長らが、同店店主の井伊友博さん(41)に直接、文書を手渡し「ご迷惑をおかけした」などと述べた。県関係者が明らかにした。

 この問題を巡っては、井伊さんがツイッターで「当店の麦味噌(みそ)が『味噌』と名乗れなくなりそうです」と10月26日に悩みをつぶやいたことを機に各種メディアに報じられ、一挙に全国的な話題となった。関心が急速に高まったことなどから、県が急ぎ火消しに走ったとみられる。

 県南予地方局は10月13日付の文書で、宇和島市の老舗みそ店「井伊商店」の商品「麦みそ」に、「みそ」などと表示しないように改善を指導。大豆を使わない麦みそを、みそや麦みそと名乗ることは、大豆を使った商品であるとの誤解を与えかねず、「景品表示法違反の優良誤認に当たる」としていた。

 県関係者は指導取り消しの理由について、「景品表示法を厳しく解釈していたが、総合判断した結果、解釈を変更し、指導を取り消すことになった」と釈明。宇和島市では大豆を使わない麦みそが広く認知されていることを前提にすれば、「(消費者が大豆を使った商品であると誤解しても)実態より著しく優れた商品と誤認する可能性が低いことなどを考慮した」と説明した。

 井伊さんは取材に「ホッとして落ち着いた」と語った。一方で、食品表示法が求めている品名表示については、「引き続き話し合いを進める」という。食品表示基準で、大豆を使わなければ「麦みそ」と表記できないとされているためだ。

https://mainichi.jp/articles/20221104/k00/00m/040/325000c

投稿者プロフィール

赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
赤松靖生(消費者法務と食品の専門家)
◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)
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