食材が納品されたときの①検収確認②冷蔵庫等への保管時の区別やラベリング③使用するときに冷蔵庫から取り出す食材の確認、という原則を再認識しましょう
事件の概要
- 翌日使用する生クリームが納品され冷蔵庫保管し、当日に生クリームを使用したが1本余り冷蔵庫保管。
- 別の日に、翌日使用する生クリームが納品され冷蔵庫保管し、当日に生クリームを使用したが、前回余った生クリームを使用したことに気付いた。
- 間違えて使用した余っていた生クリームは賞味期限が切れていた。
- 賞味期限切れの生クリームは、学校給食献立のクリームシチューに使用し児童生徒144名及び教職員92名に提供した。
コメント(課題・問題点・防止策等)
- 賞味期限なので少々過ぎたとしても健康上の問題はないと思います。
- 家庭では問題ないと思いますが、衛生管理を徹底する学校給食では少し違ってきます。食材が納品されたときの①検収確認②冷蔵庫等への保管時の区別やラベリング③使用するときに冷蔵庫から取り出す食材の確認、という原則が守られなかったということは、今後、大きなミスにつながるリスクもあります。
- みなさまも、今回の事例を参考に、冷蔵庫や保管庫での食材の管理体制(使う日別や先入先出などの期限、ラベリングによる区分など)について確認しましょう。
- ちなみに、生クリームは高いので1本余すと食材費に影響があると思いますが、そのあたりの発注量が適正だったのかが気になりなります。使い切りの量だけ注文していれば問題がなかったのですが。たまたま余ってしまったら、期限切れで再利用できないので廃棄するしかなく、持って帰ると怒られるし、フードロスになりますね。
埼玉県 報道発表資料
埼玉県HP
トップページ > 県政情報・統計 > 県政資料・県報 > 県政ニュース(報道発表資料) > 2022年度 > 2022年11月 > 県立特別支援学校の学校給食における賞味期限切れ食材の使用事案について発表日:2022年11月11日14時
県立特別支援学校の学校給食における賞味期限切れ食材の使用事案について
県立本庄特別支援学校において、賞味期限切れ食材を使用した給食を提供した事案が発生しました。
当該学校の児童生徒及び保護者にお詫び申し上げますとともに、再発防止に向け、学校給食における適切な食材管理を徹底いたします。
1 事故概要
(1)発生日 令和4年11月10日(木曜日)
(2)発生場所 県立本庄特別支援学校
(3)発生原因 学校及び学校給食調理業務契約事業者の食材在庫管理及び情報共有体制の徹底不足
(4)発覚までの経緯
(10月31日)翌日の学校給食に使用する生クリーム(1リットル×2本・賞味期限11月6日)が食材取扱業者から学校に納品され、調理員が給食室内の冷蔵庫で保管した。
(11月 1日)同日の学校給食献立に前日納品された生クリームを使用したが、未開封の状態で余った1本を調理員が冷蔵庫に保管した。この時点で、余った食材が冷蔵庫に保管されていることについて、校内学校給食関係者に情報共有されなかった。これにより、廃棄等の適切な処理がされず残存した。
(11月 9日)翌日の給食に使う生クリーム(1リットル×1本・賞味期限11月17日)が食材取扱業者から学校に納品され、給食室内の冷蔵庫で保管した。
(11月10日)当日の学校給食献立のクリームシチューに前日納品された生クリームを使うべきところ、誤って11月6日賞味期限の生クリームを使用して調理し、12時15分から13時00分の間に児童生徒144名及び教職員92名に提供した。
(11月10日)16時頃、調理員が食材の在庫確認のため冷蔵庫を開けたところ、11月17日賞味期限の生クリームを未開封の状態で発見し、11月6日賞味期限の生クリームの空き容器が廃棄されていることを確認。当日のクリームシチューに賞味期限切れの生クリームを使用したことが判明した。
2 事故後の対応
・昨日、学校から全校児童生徒の保護者宛てに事故の発生報告と謝罪を行うとともに、児童生徒の健康観察を依頼した。
※11月11日午前11時現在、健康被害の報告はない。
・本日、学校給食を実施する全ての県立学校(特別支援学校及び夜間定時制高校)及び学校給食調理業務契約事業者に対する注意喚起を行った。
・今後、学校給食を実施する全ての県立学校(特別支援学校及び夜間定時制高校)及び学校給食調理業務契約事業者に対し、在庫食材の賞味期限に関する緊急点検の実施と適切な在庫管理の徹底を指示する。報道発表資料(ダウンロードファイル)
https://www.pref.saitama.lg.jp/f2211/news/page/news2022111101.html
県立特別支援学校の学校給食における賞味期限切れ食材の使用事案について(PDF:156KB)
ニュース記事の紹介
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【埼玉新聞】給食に賞味期限切れ生クリーム…情報共有されずシチューに使用 本庄特別支援学校、体調不良の報告なし 2022年11月12日
2022年11月12日(土)
給食に賞味期限切れ生クリーム…情報共有されずシチューに使用 本庄特別支援学校、体調不良の報告なし県教育局は11日、県立本庄特別支援学校で10日に賞味期限切れの生クリームを使った給食を提供していたと発表した。同局は児童生徒や保護者に謝罪し、適切な食材管理を徹底するとした。
同局保健体育課によると、生クリームは6日が賞味期限で1日の給食献立で余り、未開封の状態で冷蔵庫に保管されたが、調理員のミスにより他の調理員や学校の栄養士との情報共有が行われなかった。新たに納品された生クリームと間違えて10日の給食のクリームシチューに使われ、児童生徒144人と教職員92人に提供された。体調不良の報告はないという。
農林水産省のホームページには、消費期限は「過ぎたら食べない方が良い」とされる一方、賞味期限は「おいしく食べることができる期限」「過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません」とある。
同課の担当者は「家庭では賞味期限を過ぎても大丈夫という場合もあるかもしれないが、給食では期限内に使うべきだ」と再発防止を図る考えを示した。
https://www.saitama-np.co.jp/news/2022/11/12/04_.html
投稿者プロフィール
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◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)