事件の概要
- 物流会社の倉庫で管理していた冷凍の金目鯛開干
- 「賞味期限2022 年1 月15 日」(22. 1.15)の商品を2021 年12 月に出荷
- 出荷後、残った17 ケースを自動倉庫へ戻した際、誤って「賞味期限2022 年11 月5 日」(22.11.5)として登録
- この誤登録された商品17 ケースのうち8 ケースがスーパーマーケット各店舗に納品
- したがって、各スーパーの店舗で販売された商品の賞味期限が10カ月超過しているものが販売されたことで食品衛生法違反となった(販売時点では約6か月の超過)
コメント(課題・問題点・防止策等)
- 『(誤)2022 年11 月5 日⇒(正)2022年1 月15 日』なので、11.5を1.15にしてしまたっという誰でもやってしまいそうな「あるあるミス」ですね。
- 「自動倉庫に戻したときに誤って賞味期限を登録」とあるのだけど、もとの箱に賞味期限が表示されていたなら、集荷時、出荷先等で、矛盾に気付くはずだと思います。デジタルを活用しつつ、アナログも併用して、ミス防止につなげることが今回の気づきです。
- 自動倉庫機能は誤って登録されたら、そのまま信じてしまいますよね。もしかしたら、出荷時の箱には元の賞味期限が表示されていたのかも(気づかなかったのかも)。
- 小分け販売したときに、表示責任者は販売者側(スーパー)に変わるのですが、そこでの単純転記ミスが少なからずあります。
- 流通会社等が表示のラベルを管理していたりするので、出荷先の販売店舗では、まさかそれが間違っているとは思わないということになります。
- 品質の劣化が早い食品であれば、スーパーで気づくかもしれませんが、干物は外見的には品質劣化が分かりにくいうえ、リアルに食べても、問題なく食べれてしまうというのもあるかもしれません。
- 元の干物自体の表示や品質には問題がないので、フードロスの視点からはもったいないです。
- また、仕入れた商品の小分けによる表示ラベルのミスというのは、販売店としても、気をつけなければいけないリスクになります。表示責任者がメーカーから販売者(小分けなので加工者)になりますからね。
- そのほかにも、冷凍で流通していた商品を冷蔵で陳列販売するときの温度の表示間違いや賞味期限の間違いなど、同様のミスが生じる可能性があります。
- 製造メーカーでは十分に表示に関する教育は行き届いていると思いますが、流通・保管・販売段階にかかわる従業員の表示に関する教育をきちんとしていくことも重要です
- これらは、景品表示法で義務付けられている表示の管理体制の構築にも該当します
- ちなみに、自主回収の理由は「食品衛生法違反」となっています。食品表示法違反もあると思うのですが、健康を害するおそれのある食品の流通ということで、食品衛生法違反としたのでしょう。
【参考】食品衛生法
第六条 次に掲げる食品又は添加物は、これを販売し(不特定又は多数の者に授与する販売以外の場合を含む。以下同じ。)、又は販売の用に供するために、採取し、製造し、輸入し、加工し、使用し、調理し、貯蔵し、若しくは陳列してはならない。
一 腐敗し、若しくは変敗したもの又は未熟であるもの。ただし、一般に人の健康を損なうおそれがなく飲食に適すると認められているものは、この限りでない。
二 有毒な、若しくは有害な物質が含まれ、若しくは付着し、又はこれらの疑いがあるもの。ただし、人の健康を損なうおそれがない場合として厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。
三 病原微生物により汚染され、又はその疑いがあり、人の健康を損なうおそれがあるもの。
四 不潔、異物の混入又は添加その他の事由により、人の健康を損なうおそれがあるもの。
株式会社バロー 賞味期限切れ商品の販売に関するお詫びとお知らせ 2022.7.5
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ニュースリリース一覧
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2022.7.5賞味期限切れ商品の販売に関するお詫びとお知らせ (PDF)
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リコール情報サイトホーム > バロー「金目鯛開干」 - 返金/回収
バロー「金目鯛開干」 - 返金/回収
賞味期限が経過した商品を販売(本来の賞味期限:22.1.15)商品名 金目鯛開干、金目鯛開干(大)
連絡先
株式会社バロー岐阜県多治見市***
対応方法
【回収情報の周知方法】当社ホームページ(https://valor.co.jp/)において周知
販売店におけるPOPにより周知
【回収方法】 販売店舗にて回収
【回収後の対応】 返金対応 対応開始日 2022年07月05日
対象の特定情報
商品名 :「金目鯛開干」「金目鯛開干(大)」内容量 :1枚入り、2枚入り
保存温度:①10℃以下 又は②-10℃以下
形 態 :トレイパック包装
JANコード:①13桁のうち左から6桁が「2020970」または「2020972」のもの、または各店水産売場で従業員が直接手渡しで販売したもの
賞味期限:①2022年7月5日~8日までのもの、②2022年7月10日~18日までのもの
販売地域:愛知県・岐阜県・石川県のスーパーマーケット24店舗
販売期間:2022年7月1日から7月4日まで
販売数量:358パック(該当ロットは最大240パック)
参照情報 【厚生労働省】食品衛生申請等システム参照情報
備考
回収の理由:食品衛生法違反バローグループの物流会社である中部興産株式会社で管理していた冷凍の金目鯛開干 「賞味期限2022年1月15日」(22. 1.15)の商品を誤って「賞味期限2022年11月5日」(22.11.5)として8ケース(7月1日に4ケース、同2日に2ケース、同4日に2ケース)がスーパーマーケットバローの各店舗(回収店舗一覧)に納品され、店舗で小分けして販売してしまった可能性があるため。
健康被害は発生しておりませんが、万一喫食された場合、腹痛・嘔吐・発熱などの健康被害が発生する可能性があります。
管理番号:00000029526
https://www.recall.caa.go.jp/result/detail.php?rcl=00000029526
ニュース記事の紹介
※下記に紹介している記事や動画は時間の経過とともに削除される場合がありますのでご了承ください。また、新しいニュースがあれば追加します。
【岐阜新聞】賞味期限を半年近く超過、キンメダイ干物販売 バロー、回収急ぐ 2022年7月6日
賞味期限を半年近く超過、キンメダイ干物販売 バロー、回収急ぐ
社会
2022年7月6日 09:09回収対象商品の「金目鯛開干(大)」
スーパーを展開するバローは5日、岐阜、愛知、石川県の最大24店舗で、賞味期限が半年近く超過したキンメダイの干物を販売した可能性があると発表した。今月1~4日にかけて販売した商品で、同社は回収を急いでいる。同社によると、白鳥店(郡上市)、岩村店(恵那市)など岐阜県内12店舗、愛知県11店舗、石川県1店舗で販売した計358パックのうち賞味期限切れの商品が最大240パック含まれている可能性があるとしている。商品名は「金目鯛開干」「金目鯛開干(大)」。
バローグループの物流会社で冷凍管理していた、今年1月15日が賞味期限の商品を倉庫に戻した際、誤って賞味期限を今年11月5日と登録したことが原因。バローは「商品管理の一層の徹底と再発防止に努める」としている。問い合わせはお客様相談室、フリーダイヤル(0120)813786。
https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/100666
投稿者プロフィール
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◆神戸大学農学部畜産学科(昭和61年4月入学)・神戸大学大学院農学研究科(平成4年3月修了)
◆神戸市役所(平成4年4月入庁、平成26年3月退職)
「平成4~13年 保健所等での衛生監視業務(食品衛生・環境衛生・感染症対策)」
「平成14~24年 消費生活センター 技術職員(商品テスト・相談対応支援・事業者指導)」
◆一般社団法人はりまコーチング協会(平成26年4月設立、代表理事就任)
◆食品分野のダブルの専門家としてサポートします
元保健所食品衛生監視員として「食品表示法」をはじめとした食品衛生
元消費生活センター職員として「景品表示法」をはじめとした消費者法務
◆食品関連企業・商工会・給食施設等で研修実績あり(口コミ紹介が多い)